Project/Area Number |
06242206
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 克彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023264)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 無機層状化合物 / 高選択的光反応 / インターカレーション / シクロ付加 / シス-トランス異性化 |
Research Abstract |
はじめに 粘土に代表される無機層状化合物は、その層状空間がゲスト分子のサイズに応じて変動する空間構造を持ち、静電吸着が可能な多数のイオン吸着点を持つことからゲスト分子を集合化する特異なホスト材料として注目されている。このホスト材料の持つ特異な空間を利用して高効率・高選択的光化学反応を検討する。光化学で典型的な光[2+2]二量化反応はこの系の利用により極めて高効率・高選択的に起こすことが出来ることを見い出しているので、さらに粘土層間をホストとする光化学反応の一般的な利用法を確立するために不飽和脂肪酸のシクロ付加と異性化を直接光反応および増感反応を検討した。 実験方法 パラ置換桂皮酸(1)またはスチルベンカルボン酸(2)単独のナトリウム塩の水溶液(5mM)もしくは4-ベンゾイル安息香酸(3)または4-ベンゾイル-4'-ジフェニルカルボン酸(4)のナトリウム塩(増感剤)との混合水溶液(各2.5mM)にマグネシア系のアニオン交換粘土であるハイドロタルサイト(協和化学KK)の粉末(5mM)のまま加え、一晩70-80℃でインターカレーションさせた。得られたけん濁液は一部吸着量を測定の上、そのまま光照射した。また、一部は、濾過後、X線回折分析した。 直接光照射は吸着させた水分散液はパイレックスフィルターを、また光増感反応は適当なカットフィルターを通した高圧水銀ランプ光で照射した。反応後は、濃塩酸により粘土を分解し、ジアゾメタンでメチル化したのち、各種クロマト分析、NMR、MASS分析した。 結果と考察 不飽和脂肪酸(1と2)の直接光二量化、3による増感二量化は、オレフィンの種類、用いる粘土のイオン交換容量、共吸着物の有無の条件によって大きく変化する。また4による2dのシス-トランス異性化の光定常状態比は溶液系とは大きく異なり、シス体に異性化し難くなった。
|