Project/Area Number |
06242209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 清明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00092560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 康之 北海道教育大学函館校, 教育学部, 講師 (60251609)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | X線回折法 / X線原子軌道解析 / X線分子軌道解析 / 二中心散乱因子 / 多重反射 |
Research Abstract |
研究代表者は軌道間の規格直交条件を満足する最小二乗法を開発し、X線回折実験から原子軌道および分子軌道を求める方法を開発した。前年度までに、対称心のみを有する。遷移金属錯体、Cu(diazaoctane)_2(No_3)_2中のCu^<2+>低対称場中の3d軌道を求めることに成功し、X線原子軌道解析法が一般的に行えるようになった。結晶中の分子軌道が明らかになると、結晶場の定量化は容易である。そこで本重点領域研究では、簡単な有機化合物を研究対象とするX線分子軌道解析法の開発を行った。二中心電子に対応する温度因子等の定式化およびプログラム作成をほぼ終了した。100Kで測定したジフォルモヒドラジド(NHCHO)_2のX線回折強度データの解析に、このプログラムを使用して、プログラムのデバッグを行っている。ab initio MO法で計算した分子軌道を出発パラメーターとしている。強度データは、多重反射を避ける方法で測定するなど、現在の測定法で可能な限り精密に測定を行った。その結果えられた変形密度分布を見ると、C-HおよびN-H結合上の結合電子による山に有意な差が見られるなど、明らかに測定精度の向上が見られる。約3000個の反射の2中心散乱因子を計算するため、予想外に計算時間がかかるため、最終結果はまだえられていないが、以下のことが明らかになっている。(1)簡単な有機化合物では二中心散乱因子による構造因子の部分が、全構造因子の中で1%以上の大きさをもつものが、3090個の測定反射のうち994個もあり、X線回折法により分子軌道は十分有意に決定できる可能性のあることが分かった。(2)原子座標や温度因子の精密化の過程で、C-H及びN-H結合距離は、中性子回折法で求めた値に近づきつつあること等が明らかになった。X線分子軌道解析は成功すると期待している。
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