自己組織性有機結晶環境下での無機包接結晶の形成と固相反応制御法の確立
Project/Area Number |
06242214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 工学部, 助教授 (90186304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ瀬 泉 九州大学, 工学部, 助手 (50243910)
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 二分子膜 / 無機クラスター / 混合原子価 / 電荷移動相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、自己組織性を有する合成脂質から形成される、有機膜結晶をホストとして用い、多様な無機ゲスト基質と複合化して得られた膜包接結晶の構造制御、さらに有機膜結晶を反応鋳型とする無機合成・構造制御法を確立することを目的とする。今年度に得られた成果は、以下のとおりである。 1)親水部に大きな双極子モーメントを有するp-ニトローN-メチルアニリン基を含む新規な脂質を系統的に合成した。二分子膜結晶中における脂質の分子配向は、ニトロ基の数・位置に依存して制御できることが分かった。 2)ビオロゲン親水部を有する新規な脂質を系統的に合成した。この膜結晶層間にニッケルシアニドをイオン交換法により導入し、引き続いて銅イオンを逐次導入した。赤外吸収ならびに原子吸光分析より、シアノ架橋錯体が膜結晶層間において定量的に形成されることが分かった。また、この無機複合キャストフィルムのESRスペクトルは、単結晶に匹敵する顕著な磁気異方性を示すことを見いだした。 3)メチルビオロゲンと第一塩化鉄を固体状態で混合すると、藍色の有機-無機複合結晶を与えることを見いだした。ESRスペクトルにおいてビオロゲンラジカルが検出されないこと、また、メスバウワ-スペクトルにおいて鉄が2価の4配位状態にあることから、鉄クロリドクラスターからビオロゲンへの電荷移動相互作用によるものと考えられ、有機-無機複合体の固相合成により、新しい電子的相互作用を発現させることに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)