Project/Area Number |
06243106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
島 信幸 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90167445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50114351)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 超周期 / π電子系 / 強磁性 |
Research Abstract |
我々はフラレン合成過程で得られたaziteにヒントを得て2次元超周期π電子系の電子状態について一般的な考察を行なった。炭素原子から成る蜂の巣対称性を持った2次元超格子系を考える。この系は局所的には主に6員環構造を持ち、かつ蜂の巣格子超構造を持つπ電子系と捉えられる。この様な系の組成は一般的にnを整数として(Cn)2あるいは(Cn+3/2)2である。前者(単位胞内の原子を2つのスーパーa、bサイトに分けられる物)をAタイプ、後者(スーパーa、bサイトの境界に原子が共有される物)をBタイプとする。これらはそれぞれ単位胞の角に原子が無いAo,Boタイプ(n=3m m:整数)と原子が有るAc,Bcタイプ(n=3m+1)の2種類に分類される。これらのタイプの系のπ電子に着目して最近接原子間相互作用のみによるバンド分散を考える。格子当りの電子数は1個とし、異なる副格子間の相互作用のみを考えると、一般にAoは半導体、Ac,Bo,Bcは半金属となる事を示すことが出来る。特にBo,Bcはフェルミ準位の位置に最低それぞれ3個及び1個の分散の無いバンドを持つ。これらの分散の無いバンドが電子で半分満たされている場合には電子間クーロン相互作用により強磁性状態が実現することが期待されるため、Bo,Bcの様な系が実際に合成されれば非常に興味深い。Bcの構造を持ち、分散の無いバンドが半分満たされうる一番簡単な系としてB_2N_3薄膜を取り上げて電子状態計算を行なった所、分散の非常に小さいバンドを持つ構造が安定状態として得られた。さらにB_2N_3薄膜を積み重ねた層状物質の電子状態を求めると層方向の分散が小さいバンドが層に垂直方向のみに分散を持ったバンドに変わり、フェルミ準位付近の電子状態は擬一次元的となる。ここで行なった考察は2次元でのC_4、三角格子超格子、あるいは三次元ダイヤモンド超格子にも拡張する事ができる。
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Report
(1 results)
Research Products
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