分子性有機伝導体DCNQ-Cu塩の金属-絶縁体転移の銅のNMRによる研究
Project/Area Number |
06243218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 憲二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90243196)
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 分子性導体 / (DCNQI)_2Cu / 核磁気共鳴 / 金属絶縁体転移 / 電子相関 |
Research Abstract |
(DCNQ)_2系で、グループ-I:低温まで金属相が安定な状態、(DMe-DCNQI)_2Cu、(DMeO-DCNQI)_2Cu、グループ-II:低温で絶縁体に転移する状態,(DBr-DCNQI)_2Cuについて、これら特異な諸性質を解明するために、銅の核磁気共鳴(NMR)を実験手段として微視的な観点から研究を行った。 グループ-(I)-(DMe-DCNQI)_2Cu、(DMeO-DCNQI)_2Cu- 120K以下の低温(〜0.3K)まで、T_1T=一定則が成り立つ。Cuの等方的ナイトシフトは、温度変化し、河本らによって報告された^<13>Cのナイトシフトの結果を用い、温度に依存しない寄与を分離した。さらにシフト及びT_1へのd対称のスピンと軌道の寄与の解析から電子相関効果に起因した、帯磁率の増大効果は、大凡〜3程度あることが分かった。15EA04:グループ-(II)-(DB_rDCNQI)_2Cu- 金属絶縁体転移後のCu^+の電子状態にあるものと、混合原子価状態にあるものとが混在している。金属状態は、フェルミ面の状態密度がグループ(I,III)に比べて増大するが、電子相関効果が顕著にならない。 グループ-(III)-DMe-DCNQI-d_2[1,1:0])_2Cu- リエントラント転移は、急激におこるが、中間絶縁体相では一部金属相が残存している。また高温・低温金属相は、連続につながった状態である。 総じて絶縁相・金属相の電子状態は、連続してつながっており、金属絶縁体転移近傍での、金属相側のd対称の電子相関効果は弱く、転移は一次元的なDCNQカラムのπ電子が主導でき役割を担っていることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)