輻射場の量子制御と光と物質の新しい相互作用に関する基礎研究
Project/Area Number |
06245201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 久遠 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30021934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 和彰 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90250513)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | フォトニック結晶 / 輻射場 / 量子制御 / フォトン・バンドギャップ / 二次元結晶 |
Research Abstract |
光の波長程度の格子定数をもつ2次元フォトニック結晶を世界に先駆けて作成し、電磁波モードが存在しないフォトニックバンドギャップの存在を初めて明らかにするなどの成果をあげた。すなわち、1.17μmと1.02μmの格子定数をもつ2種類のエアロッド型の2次元六方晶格子を開発し、2次元ブリュアンゾーンの対称性の高いΓ-X、Γ-Jの各方向について、光の透過率を測定した。その結果、X方向については偏光の無関係に、J方向についてはH偏光(磁場ベクトルがロッド方向に平行)に対して、光が完全反射するエネルギー領域が2μm近傍に存在することを見い出した。また格子定数が小さくなると、このフォトニックバンドギャップが低エネルギー側にシフトすることも明らかにした。併行して、この系のフォトニックバンド構造並びにフォトンモードの状態密度を理論的に計算し、上記の実験結果を良く説明できることを明らかにした。以上から、H偏光に関しては共通なバンドギャップを生ずることがわかった。 次に、これまで全く研究例がない点に鑑みて、この様な系の0次〜3次までのブラッグ反射強度の波長依存性を測定した。フォトニックバンド構造を反映して、1次より2次の散乱強度の方が強くなる波長領域が存在するなどの、いくつかの新しい事実を見い出した。理論的にもこの様な系の透過率、ブラッグ反射、透過強度の波長依存性を世界で初めて計算し、実験結果と比較した。最後に、理論的に、Γ-J方向の第2バンドが外部の電磁波とは結合できない、全く新しいタイプの電磁波モードであることを見い出した。従って、この領域では外部の光は全反射するはずである。表面が上記結晶より完全な、遠赤外波長の格子定数をもつ類似のフォトニック結晶を作成して、この事実を検証した。 以上の成果をもとに、光と物質の新しい相互作用の研究に着手している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)