Project/Area Number |
06245204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松末 俊夫 千葉大学, 工学部, 講師 (20209547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英文 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40251491)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 拡散 / 量子井戸 / 励起子 / 輸送過程 / 磁場効果 / キャリア濃度依存性 / 砒化ガリウム / 光励起キャリア |
Research Abstract |
単一モード光ファイバーをマスクとして用いた拡散測定システムを開発し、様々な条件で拡散ダイナミックスを測定可能とした。これを用いて、GaAs/AlGaAs量子井戸構造における励起子の井戸面内の拡散速度を評価した。さらに拡散が構造やキャリア濃度、外場によりいかに変化するかを調べ、拡散の制御とそれがデバイス特性の改善につながる可能性を探った。 まず、キャリア濃度による変化を明らかにするため、無添加およびp型変調ドープ量子井戸構造における光励起キャリアの拡散を調べた。77Kにおいて弱励起(励起キャリア濃度10^8cm^<-2>)から強励起(10^<12>cm^<-2>)の領域で系統的に測定を行なった。その結果、光励起キャリアやド-ピングキャリアによる散乱のため拡散が抑制されること、低温では自由キャリアによる両極性拡散が支配的ではなく、励起子効果が拡散を促進していること等を明らかにした。 次に、光ファイバーの先に取り付けた試料を超伝導磁石中に挿入し、強磁場により拡散が変化する様子を調べた。励起子は中性準粒子であるにもかかわらず井戸面に垂直に磁場を印加することにより、拡散が大きく抑制されることがわかった。2テスラ程度で拡散速度が数分の1に減少し、それが2次元励起子の0次元化に伴う有効質量の増大として理解できることを示した。 これらの成果をもとに拡散を制御することで、微小発光デバイスの表面非発光再結合を低減し、発光効率を改善させることなどができるであろう。また、拡散過程の変化に伴ってコヒーレントダイナミックスの変化が予想され、それが発光や光非線形性等にいかに関わるかを明らかにしていきたい。
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