超短パルスに対する微小励起子ポラリトン系の光学応答
Project/Area Number |
06245207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
時弘 哲治 東京大学, 工学部, 講師 (10163966)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1994: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 励起子ポラリトン / 超短パルスレーザー / 量子効果 / タイトバインディングフォトン |
Research Abstract |
本年度の成果は、次のものである。 (1)輻射場を量子論的に扱う手法であるtight-binding photon近似を定式化した。CuCl励起子ポラリトン系に適用し、ポラリトンの分散関係式が共鳴エネルギーを中心に約1eVにわたって良い一致を示すことを示した。 (2)CuCl薄膜の透過及び反射スペクトルをtight-binding photon近似に基づいたtransfer matrixの方法で計算し、三田・長沢による実験結果と定量的に極めて良く一致することを示した。さらに膜厚を変えることによってupper-branchとlower-branchの両ポラリトンの干渉効果が見えることを示した。 (3)超短パルス応答を数値的に求める方法として、tight-binding photon近似に基づいて、実空間での計算手法とフーリエ空間での計算手法の2つの方法を考案し、CuCl薄膜に対するパルス応答を計算した。その結果、時間領域での励起子と輻射場のdynamicsを明らかにすることができた。数フェムト秒という短い時間領域では連成波としてのポラリトンという描像よりも励起子系の輻射場とを分離して考える描像の方が適切であることがわかった。また、数フェムト秒程度のパルスに対しては実空間での手法が適していること、数十フェムト秒以上のパルスに対してはフーリエ空間での手法が適していることを示した。さらに、非共鳴領域では通常のパルスの部分的反射と透過という現象が見られるが、共鳴近傍では反射波及び透過波に励起子の生成消滅にともなう振動が見られることを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)