離散レベルをもつ量子系のダイナミックスと光子系の直接数値シミュレーション
Project/Area Number |
06245213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 精二 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (10143372)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | JC模型 / 量子ゆらぎ / 量子ダイナミックス / スクイージング / トンネル効果 |
Research Abstract |
離散レベル系の量子系の例として原子系のハミルトニアンをスピン系表した系が光子の相互作用する場合の量子力学的な運動に関する直接的な数値シミュレーションの方法を開発しJC模型、およびそれを拡張した模型の性質を調べた。特に、従来の密度行列の方法と等価な確率的なシュレディンガー方程式によるシミュレーションの方法を導入し、光子の緩和や原子系の励起の様子をよりリアルに観測できる方法を開発した。それらの方法でいろいろな励起の機構のもとでの光子系のスクイージング様子を調べ、JC模型ではポアソン型の光子数分布の傾向が強いことを見出した。さらに、原子系が複数個の原子からなる場合、原子系の励起がコヒーレントに行われる場合とそうでない場合の違いなども調べた。また、量子的動揺が大きな系での低温における性質を調べるため一次元量子スピン系の研究に関する量子モンテカルロ法の方法を開発した。特に、相互作用に競合のある場合に問題となる負符号問題に対する実際的な解決法としての転送行列モンテカルロ法を開発し低温でのゆらぎの在り方を研究した。また、系の素励起の運動を明らかにするため系の低エネルギーの分散関係を量子モンテカルロ法で求める方法を開発し、一次元S=1反強磁性ハイゼンベルク模型に適用しこの系の特有な励起パターンの運動形態を調べた。さらに、素励起間の相互作用の影響も明らかにした。熱的なゆらぎが存在しないような低温での緩和メカニズムについて幾つかの提案をし、それらの機構の中でどのような緩和が起こるか実際に数値シミュレーションを行ないそれらの性質を明らかにした。特に、外場をゆっくり変えることで系を断熱的に変える場合、系が準安定性を持つとき緩和はトンネル現象が必要になるにもかかわらず従来知られているランダウ・チェナ-型の緩和率で整理できることを発見した。 また、準安定な状態にある系での緩和現象における光子系との相互作用の重要性も指摘した。特に、真空ラビ分裂により原子系だけでは準安定な系が量子ゆらぎをもち、基底状態にある光子系との相互作用で量子核形成を引き起こすことを見出した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)