Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
従来の光波では自由空間は勿論,光導波路においても伝送できる光ビームの幅を半波長程度以下にはできない.これが光デバイスのサイズや記録密度の制限の主因である.本研究者は誘電率が負の負誘電体を用い,主伝搬方向にのみ位相定数をもち,波長に関係なく細くできる1次元光波を生成,伝送できる伝送路を世界に先駆けて考案した.本研究の主目的はこの1次元光波の理論的解明と実験的検証である.この光波は光記録,光マニピュレーション,光ICに革命的変革をもたらす可能性をもち,応用性が高いが,同時に基礎科学的にみても極微構造内での電磁波伝搬という本重点研究に格好の研究課題である.本研究ではまず,この1次元光波の理論的解析を行い,実際的な材料定数,形状,構造を適用して,伝送モード,伝搬定数,伝送損失,ビーム幅等を具体的に評価した.解析結果の具体例をあげると,20nmφの銀円柱をコアとし,屈折率2のクラッドで覆った導波路の場合,波長60nmで0次TMモードではビーム径が33nm伝送損失が-3db/410nmとなることが見積もられた.これは,現在の光記録密度を1000倍程度向上させ,フォトンSTM,光ピンセットの分解能を一段と向上させるものである.この他,この伝送路の光変調器,光整流器など電気光変換デバイスへの応用についても考察を進め,十分にその可能性のあることを導いた.ただ残念なことに研究期間が1年と短いため実験的検証に至らなかった.以上のように本研究により多くの新しい知見が得られており,これらの成果は平成6年11月に安芸の宮島で行われた重点研究「相互量子制御」シンポジウムで報告したほか,平成7年5月米国バルチモアで開催予定の国際会議Quant um Electronics and Laser Science(QELS′95)でも発表予定である.
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