Project/Area Number |
06247206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 泰雄 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (50101168)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 核マトリックス / RNA結合蛋白質 / DNA結合蛋白質 / 可変スプライシング / 細胞複製 |
Research Abstract |
新しい核マトリックスタンパク質:N/MAXのcDNAクローンをHeLa細胞のcDNA発現ライブラリーから単離して以下のことを明らかにした。 1)このcDNAは約1900アミノ酸をコードする約7kbの塩基配列を持つ。2)80%以上の相同性を持つマウスN/MAXのcDNAを単離すると同時に、可変スプライシングによる異型体が少なくとも3種類存在することを明らかにした。3)N/MAXはa)多くのhnRNP見られるアルギニンとセリンに富むRS領域、b)既知の核マトリックス蛋白質であるマトリン3と相同なMH0、MH1とMH2領域、c)RNA結合蛋白質に見られるRRM領域、d)DNA結合領域やe)酸性アミノ酸がらなる特徴的な配列が9回繰り返すacidic repeat領域等を持つ多機能蛋白質である。 4)N/MAXはシトシンが集中する2本鎖DNAに特異的に結合する。すなわち、N/MAXは核マトリックス結合配列とされるMAR配列とは異る領域を認識する。5)acidic repeat領域は酵母の遺伝子転写系を活性化する能力を持つ。6)acidic repeat領域はカルシウム結合能を示し、この結合によってDNA結合能が失われる。7)DNA結合領域の組換体の抗体は多様なヒト由来細胞核の核内を顆粒状に染色するが核小体は染色しない。8)HeLa細胞の分画の結果もN/MAXが核マトリックス成分であることを示した。9)N/MAXの染織像は核分裂期に出現する凝集クロマチンから排除され、核膜の崩壊に伴って細胞質全体に拡散するが、核分裂終期には核内に再濃縮される。10)N/MAX遺伝子の発現は変異細胞株で高い傾向を示す。 本研究課題では、このように新しい核マトリックス蛋白質を発見し、その構造を明らかにすると共に、細胞複製における役割に関して重要な知見を得た。
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