Project/Area Number |
06248205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 泰 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (50229407)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 低分子量GTP結合蛋白質 / SH3ドメイン / SH3結合蛋白質 / 細胞極性 / 出芽酵母 / 分泌小胞 / 細胞膜伸長 |
Research Abstract |
増殖時の出芽酵母における分泌は、芽の形成に必要な材料供給のため、芽の部分に限定して起こっている。この極性分泌のために細胞極性の確立維持とそれにしたがった細胞骨格系の形成が、芽の形成過程には必須である。低分子量GTP結合タンパク質Rho3pが欠失すると細胞極性の維持不能となり、芽の成長ができなくなる。細胞極性による極性分泌の機構を解析するために遺伝学的手法を用いてRHO3の解析を行った。 多コピーでrho3欠損を相補する遺伝子SRO1-SRO9を単離した。SRO6は、分泌小胞と細胞膜の融合過程に必須なSEC4と同一であった。RHO3に種々の点変異を導入し、優性活性型変異をもつRHO3を作成した。この変異を持つRHO3は、GAL7プロモーターにより発現させると低温感受性を示し、細胞は、通常の成長部位である芽の先端以外で膜の伸長が起こり、細胞がいびつに伸びた形態で、伸長部位には、アクチンフィラメントの形成が観察された。また、この低温感受性と異常に伸長した細胞形態は、sec4-8変異により抑圧された。これらのことよりRHO3機能は、細胞極性の維持を介して、アクチン系の細胞骨格系の形成と分泌小胞と膜の融合系の局在を、膜の伸長部位に限定させるために働いていると考えられる。 SRO1は、SH3をもつタンパク質をコードし、細胞極性の確立に関与しているBEM1と同一である。このBEM1タンパク質のSH3と結合するBOI2タンパク質を同定できた。BOI機能の欠損は、Rho3p活性の上昇により抑圧された。したがって、Rho3pによる分泌の極性化に、BEM1タンパク質とBOIタンパク質が関与していると考えられ、これらのタンパク質の機能を解析することで分泌の極性化機構が明らかになると考えている。
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