Project/Area Number |
06248206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 農学部, 教授 (20143406)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 酵母 / 蛋白質輸送 / USOl遺伝子 |
Research Abstract |
小胞体→ゴルジ体の蛋白輸送に関与する酵母Usol蛋白質は、1790アミノ酸よりなる親水性蛋白で、C末端側約1000アミノ酸がミオシン重鎖のようにcoiled coilのαヘリックスを形成し繊維状の二量体(予想分子量412K)となると予想されている。蛋白質輸送に関与し、やはりcoiled coil型二量体となるSec2蛋白質では、変異体の解析からcoiled coil部分のみが重要であると報告されている。Usol蛋白質では、カルシウム結合領域と予想した配列にアミノ酸置換を導入しても機能に影響がないことを明らかにしたが、それ以外は検討していなかった。そこで、137番から509番まで372アミノ酸をフレームを合わせて欠失した変異体を構築したところ、変異蛋白質は細胞内で安定に存在するにもかかわらず、温度感受性usol-1変異を相補できなかった。このことは、Usol蛋白質の場合はcoiled coil以外の領域も機能的に重要であることを意味している。東京大学の若林研究室との共同研究により、精製Usol蛋白質を電子顕微鏡で観察したところ、2つの球状頭部と約150nmの長さの繊維状尾部からなる蛋白質であることが明らかになった。尾部には折れ曲がりやすい箇所があり、これはアミノ酸配列からcoiled coilを作りにくいと予想される位置と一致していた。これらの観察はこれまでの配列上および生化学的な解析結果を完全に支持している。細胞破砕液の分画実験からUsol蛋白質はほとんどすべて可溶性画分に回収され膜構造体画分には認められなかった。しかし、蛋白質の小胞輸送という機能から考えると、in vivoでは一時的にしろ膜構造体と相互作用することが期待される。そこで、免疫染色により細胞を観察したところ、Usol蛋白質の存在を示す蛍光は核を除く細胞質全体に均一に認められるが、その中に数個ずつの更に濃く染められている斑点がみられた。このような染色はゴルジ体と類似しており、Usol蛋白質がゴルジ体と相互作用している可能性が示唆された。
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