Project/Area Number |
06248209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 細胞内局在 / 核移行 / サイクリンB・cdc2複合体 / cdc25フォスファターゼ / M期 / ヒトデ卵 |
Research Abstract |
サイクリンB・cdc2複合体(cycB・cdc2)は、全真核細胞に共通のM期誘起蛋白質キナーゼである。ヒトデ未成熟卵ではcycB・cdc2は不活性型前駆体として細胞質中の不溶性画分にアンカーしているが、活性型への転換に際して可溶性画分に遊離されて核移行することを見出している。そこで本年度は、この活性型への転換と可溶化との関連、およびその後の核移行について解析し、以下の成果を得た。 1.cycB・cdc2の活性化因子はcdc25フォスファターゼである。その不活性型と活性型について、それぞれを抗cdc25抗体カラムを用いて、ヒトデ卵から精製した。 2.ヒトデ未成熟卵から不溶性画分を得、それにcdc25フォスファターゼを作用させて、cycB・cdc2の遊離を検討した。この際、cdc25フォスファターゼの活性を阻害するバナジン酸の効果もあわせて検討した。その結果、cycB・cdc2の遊離のためには、cdc25フォスファターゼは活性型である必要があるが、フォスファターゼ活性そのものは必要としないと判明した。 3.遊離したcycB・cdc2がそのあと核内に移行するにはそのキナーゼ活性が必要であることが、cdc2キナーゼの作用の阻害剤であるブチルラクトンIを用いて判明した。しかしこのキナーゼ作用の標的は、cycB・cdc2複合体内におけるサイクリンBの自己リン酸化ではなく、細胞質中の他の因子であるとみなされ、その実体を現在解析中である。 以上の結果から、cycB・cdc2の核移行は、活性型cdc25フォスファターゼに依存した不溶性画分からの遊離と、その後の自身のキナーゼ活性に依存した実際の核への移行との2段階からなるといえる。これらにより、核移行のタイミングをM期開始時特異的に規定していると考えられる。
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