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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,進化過程における塩基およびアミノ酸の置換/挿入/欠失のプロセスを,マルコフ連鎖に基づく確率モデルによりモデリングし,(a)ORF (Open Reading Frame)の予測,(b)配列のアラインメント,(c)分子系統樹の推定といった種々の推定を,最尤法の枠組で統一的に扱えるシステムを開発することを目的とした. 1.まず第一段階として,ゲノム情報多重解析システムのプロトタイプを,UNIXワークステーション上で開発した.この開発では,研究目的の項であげた種々の推定処理をそれぞれUNIXのプロセスとして動作させ,それらの間のフィードバックはファイルを介して通信することで実現した。 2.分子系統樹の推定に関しては現在のところDNA塩基配列に基づくものがほとんどであることから,最尤法によりアミノ酸配列から分子系統樹を推定するシステムを新たに開発した. 3.さらに,このプロトタイプシステムを,ワークステーション・クラスタ(LANで結合されたワークステーション群)上で並列実行可能なように拡張した.ワークステーション・クラスタとしては,神戸大学工学部情報知能工学科の教育用計算機設備の一部である61台のUNIXワークステーションを使用した.この結果15種のタンパク伸長因子(EF-1α)のアミノ酸配列からの分子系統樹推定が,1台のワークステーションで49715秒かかるのを,16台のワークステーションにより4668秒と約1/11にまで実行時間を短縮できた. 4.また,分子系統樹の推定において,多数生成される候補系統樹の中から尤度最大のものと効率良く探すため,従来行なわれてきた逐次付加法に加えて,A^**アルゴリズムや遺伝的アルゴリズムによる分子系統樹の推定も行なった.
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