神経栄養因子とその受容体の遺伝子発現よりみた虚血性脳創傷修復機構の解析
Project/Area Number |
06254208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 和雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90150341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真砂 敦夫 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70209419)
金井 秀樹 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90185893)
神谷 健 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (70137115)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | FGF / 成長抑制因子(GIF) / 虚血性損傷 / 外傷性損傷 / 顔面神経損傷 / 虚血耐性現像 / 低酸素性細胞死 / differential display法 |
Research Abstract |
これまで2年間の本研究班公募研究で、虚血性損傷や外傷性損傷にともなうFGFおよびFGF受容体の遺伝子発現をin situ hybridizationを中心に研究してきた。本年度は神経細胞に抑制的に作用する成長制御因子(GIF)について重点的に検討した。その結果、虚血性損傷、外傷性損傷とも損傷1日後には損傷周囲皮質でGIFの発現は低下し、4日後に一過性に損傷側皮質全般に発現が亢進した。これは損傷に伴う神経細胞の初期修復反応として理解できる。その後2週間して損傷部近辺に限局性のGIF発現亢進部位がみられ、アストロサイトによるものと判断できるがその意義については明らかではない。GIFと神経細胞機能の関係をみるため、顔面神経損傷後の顔面神経核でのGIFの発現を検討すると、損傷3日後に神経核でのGIFの発現低下がみられるが、これは軸索損傷後の神経細胞の突起進展に相応したGIFの発現抑制と判断できる。また、顔面神経の損傷条件を圧挫、切断後再接着、切断のみと変えると機能回復までの期間はこの順に長くなるが、これに一致してGIFの発現抑制期間が長くなる。このことからGIFの発現と神経機能がよく相関することが示された。次に虚血耐性現象を解析するため、培養神経細胞を用いた低酸素耐性モデルを開発し、この低酸素耐性への線維芽細胞成長因子(FGF)の関与を検討した。その結果、軽度の低酸素負荷によりFGFのmRNAと蛋白が発現し、これがその後の致死的な低酸素負荷に対して耐性を獲得することと関連するものと判断できる。また未知の耐性関連遺伝子を探索するため、differential display法で現在解析中であるが、これまでにその候補となる3つの遺伝子をつり上げ、その全構造解析と役割について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)