Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 滋 鳥居薬品研究所, 主任研究員
高下 勝滋 三新化学研究所, 主任研究員
服部 俊夫 京都大学, ウイルス研, 助教授 (30172935)
古石 和親 熊本大学, 薬学部, 助手 (40238663)
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
Tatエフェクターとして,著者らはTatタンパク質のシステイン領域に注目し,システイン残基のチオール基と反応するレドックスアリル化合物のTatのトランス活性化能に及ぼす影響を調べた。Tatのトランス活性化能に影響を与えた化合物について,さらに抗HIV活性を測定した結果,thiamine disulufideは極めて有効なTat阻害剤で,ウイルス産生を著しく阻害した。Tat inhibitorとしてはベンゾジアゼピン誘導体(Rosche Inc.)が開発され,フェースIの治験が開始されたが,この薬剤はエイズに無効であると報道されている(日経新聞)。今回Tatエフェクターとして開発しているthiamine disulfideは,ベンゾジアゼピン誘導体とは全く構造のことなるものであり,その抗HIV効果が期待されている。 一方,著者らがすでに合成したミリストイル化阻害剤N-ミリストイルグリシナ-ルジエチルアセタールは,細胞毒性は低いものの,水に対して難溶性であり膜透過性が低い化合物である。今回,新規合成した4-pyridyl-thio-decanoic acidは水溶性に富み,ウイルス粒子形成阻害によるHIV-1封じ込め薬として期待される化合物である。ミリストイル化を阻害することは感染性娘ウイルス出芽阻止につながり,ミリストイル化阻害剤は,Tatエフェクターとの併用によりエイズ発症を抑制することができると信じ,さらに改良を加えた抗ミリストイル化剤及びTatエフェクターの開発に全力を注いでいる。
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