動的記憶と学習の組み合わせによる複雑な情報処理機能の実現
Project/Area Number |
06260230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奈良 重俊 岡山大学, 工学部・電気電子工学科, 助教授 (60231495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東辻 千枝子 岡山大学, 工学部, 助手 (20253007)
東辻 浩夫 岡山大学, 工学部, 教授 (40011671)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 神経回路網 / カオス / 複雑なダイナミックス / 動的記憶 / 記憶のサーチ / 記憶の合成 / 不良設定問題 / 連想記憶 |
Research Abstract |
現在、解剖学的にも電気生理学的にも、脳における神経細胞にはいろいろバラエティーがあることがわかっている。ところが機能的な側面になると、脳の機能地図的にはブロック分けはどうやらわかっているが機能的メカニズムになる未開明である。それは「記憶」に関しても同様である。人間の持つ記憶は、一見単純に見える想起機能も持っているが特に注意すべき重要な点の一つは、記憶想起に際して「様々な変換をしながら想起できる連想機能(→ダイナミカルメモリ、動的記憶)」のような複雑な機能を合わせ示す点である。 他方、脳波を含め神経系の活動計測に頻繁にカオスが観測されており、生体の持つ複雑な情報処理機能や制御機能の原理に関する問題として、カオスがどのように脳の機能的側面に関わっているかが注目を集めることになっている。 我々は、モデル的に取った神経回路網に記憶を埋め込みその上でカオスを発生させ、上に述べたような複雑な機能を実際に実現できるかどうか試してみることで動的記憶の機能性や学習可能性を発見論的また物理学的に調べようとしている。基礎となるキーワードを「単純なルールによる複雑な機能の実現」とし、当面の目標を、 ・「単純なルールで複雑な処理機能を行わせる原理」を「神経回路網における、カオスを含む複雑なダイナミックス」の機能的側面に関する物理学的研究を通じて明らかにし、シミュレーションによって確認する。 と設定した。 具体的には、20×20=400個のピクセルパターンで表されるような画像情報をリカレント型の神経回路網の興奮パターンとして取扱い、連想記憶、ノイズ除去、分類、などの機能特性を調べた。更にこの系のシステムパラメータを変化させることによりカオス的ダイナミックスを導入した。また「単純な学習ルール」を導入することによってカオスの動的構造の適応制御を試みた。そしてそれらを用いて「不良設定問題」としての、(1)記憶のサーチ機能、(2)記憶の合成機能、(3)モンタージュ機能、などの「複雑な機能の単純なルールによる実現」をシミュレーションによって試み、良好な結果を得て次頁のリストに示すように研究を公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)