Project/Area Number |
06261242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 健三 愛知県がんセンター, 放射線部, 主任研究員 (40150213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 一史 愛知県がんセンター, 共通実験室, 室長 (30073133)
増田 彰 愛知県がんセンター, 超微形態学部, 主任研究員 (50157202)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | HSP40(DnaJ) / HSP70(DnaK) / 分子シャペロン / 哺乳動物細胞 |
Research Abstract |
いわゆる熱ショック(ストレス)タンパク質(HSP)の多くは分子シャペロンとしての機能を持つことが、ここ数年間で明らかになってきた。個々のHSPが単独で機能することもあるが、複数のHSPがチームを組みシャペロン系として働く場合もある。例えば、大腸菌におけるDnaKは単独でもタンパク質の折りたたみやタンパク質複合体の解離・会合、変性タンパク質の修復などを手助けすることができるが、多量のDnaKが必要である。しかしそこにDnaJやGrpEなどのパートナーが共存するとこれらの過程が効率よく進行する。真核細胞におけるHSP70(DnaK相同体)も同様の機能を持っており、そのパートナーと考えられるDnaJ相同体の存在が明らかになってきた。 数年前にわれわれは、哺乳動物細胞において分子量約40-kDaで塩基性の新しい熱ショックタンパク質HSP40を見いだした。HSP40の部分的アミノ酸配列およびcDNAクローニングの結果、HSP40はDnaJの相同体であることが判明した。また、ヒトHSP40遺伝子は染色体上の19p13.2に存在し、そのプロモーター領域にはheat shock element(HSE)が存在する。HSP40は通常細胞質に存在し、その一部はHSP70と複合体を形成しているが、熱ショックに伴ってHSP40とHSP70は一緒に核・核小体へ移行し、同じ細胞の同じ核小体に局在する。これらの結果は哺乳動物細胞におけるHSP70(DnaK)/HSP40(DnaJ)シャペロン系の存在を示唆している。 次に、ルシフェラーゼをモデルタンパク質としてウサギ網状赤血球ライセ-トでの無細胞タンパク質合成系を用いた実験では、合成されつつあるルシフェラーゼにHSP70とHSP40が会合しており、またライセ-ト中のHSP40やHSP70をそれぞれの抗体で除去すると成熟した活性のあるルシフェラーゼが生成されてこないことなどから、HSP40はHSP70とともにリボゾームから伸びてきた未熟なポリペプチドに結合しその折りたたみを手助けしていることが示された。 酵母においては、HSP70(SSA1)/YDJ1(DnaJ)(細胞質)、HSP70(BiP)/SEC63(DnaJ)(小胞体)などのシャペロン系が知られている。このようなことからHSP70(DnaK)/HSP40(DnaJ)シャペロン系は生物界に普遍的に存在し、細胞内の各コンパートメントにおいてタンパク質の折りたたみやタンパク質複合体の解離・会合、変性タンパク質の修復などに関与していると考えられる。
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