細胞分化のシグナル伝達におけるホスホリパーゼDの関与
Project/Area Number |
06262209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金保 安則 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (00214437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 博史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212122)
高橋 勝宣 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40183850)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ホスホリパーゼD / HL-60細胞 / 細胞分化 / 低分子量GTP結合蛋白質 / RhoA p21 / ADPリボシル化因子 / レチノイン酸 / シンバスタチン |
Research Abstract |
現在までに以下のような興味ある新しい知見が得られ、PLDの細胞分化への関与について検討中である。 低分子量GTP結合単蛋白質RhoA p21によるPLDの活性化:ラット大脳細胞膜から0.6MNaClで抽出してHeparin-Sepharose CL-6Bカラムクロマトグラフィーにより部分精製したPLDをラット大脳細胞質から部分精製したRhoA p21と再構成すると、PLDの有為な活性化が認められた。さらに、すでにPLD活性化因子として報告されているADPリボシル化因子とRhoA p21とを同時に部分精製PLDと再構成すると、PLDは相乗的に活性化された。このARFとRhoA p21による相乗的な活性化は、細胞質を除去した膜透過性ウサギ好中球をARFとRhoA p21を再構成した場合にも認められた。RhoA p21は、翻訳後修飾によりイソプレニル化されていることが知られているが、E.coliで発現させた翻訳後修飾を受けていないRhoA p21は、PLD活性化効果を持たないことが明かになった。このことより、RhoA p21によるPLD活性化には、RhoA p21の翻訳後修飾が重要な役割を果たしていることが明かになった。 PLDの細胞分化への関与について:ヒト前骨髄芽球性白血病細胞株HL-60細胞は、レチノイン酸により好中球様細胞へと分化することが知られている。この分化誘導にPLDが関与するかどうかについて検討した。上述のように、PLD活性化には、イソプレニル化されたRhoA p21が重要な役割を果たすことが明かになったので、HMG-CoAリダクターゼ阻害剤のシンバスタチンをHL-60細胞に作用させてRhoA p21の翻訳後修飾を阻害する条件化でレチノイン酸により分化誘導したが、その効果は認められなかった。このことより、PLDはレチノイン酸による分化誘導には関与していないことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)