脂質修飾された視細胞G蛋白質による光情報変換機構の解析
Project/Area Number |
06264207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 東京大学, 教養学部, 助教授 (80165258)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | トランスデューシン / 脂肪酸修飾 / カルシウム結合蛋白質 / ファルネシル化 / ゲラニルゲラニル化 / ロドプシン / 桿体 / 錐体 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を進め、以下の知見を得た。 【1】ウシ視細胞G蛋白質トランスデューシンのαサブユニット(Tα)のN末端には四種類の脂肪酸(C14:0,C14:1,C14:2,C12:0)が結合している。脂肪酸修飾の異なるTαの網膜内局在を知るため、TαのN末端領域を認識するモノクローナル抗体を作成した。このうちC12:0-Tαを特異的に認識する抗体をウシ網膜切片と反応させたところ、桿体外節が一様に陽性像を示し、全ての桿体はC12:0-Tαを含むと考えられた。 【2】桿体の光感度調節に関与している26kDaのCa^<2+>結合蛋白質は、Tαと同様の不均一な修飾脂肪酸をもつ。この蛋白質の機能を調べた結果、Ca^<2+>濃度依存的にロドプシンのリン酸化を阻害したが、阻害の強さは結合脂肪酸の種類によって異なり、この蛋白質の機能発現に修飾脂肪酸が重要な役割を果たすことが明らかとなった。 【3】G蛋白質γサブユニットのC末端システイン残基はファルネシル化あるいはゲラニルゲラニル化されている。この鎖長の違いの生理的意義を探るため、TγのC末端領域に対応する合成ペプチドをファルネシル化あるいはゲラニルゲラニル化し、トランスデューシンの機能に及ぼす効果を調べた。その結果、イソプレノイド鎖長の違いによってα-βγ間の親和性が異なるという可能性が示唆された。 【4】桿体と錐体の光応答の違いが受容体レベルでどのように説明できるかを調べるため、ニワトリ網膜から精製したロドプシンと緑錐体光受容体の光反応過程を精査した。その結果、両者の光感受性は等しいが、生理活性をもつメタII中間体の生成および崩壊の時定数を比べると、緑錐体受容体の方がロドプシンよりも、それぞれ4倍および50倍も小さいことが判明した。つまり、速い光応答を示す錐体の特徴は受容体レベルでかなり説明できることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(16 results)