胸腺内分化モデルの確立による自己認識T細胞クローンの選択に関する分子免疫学的研究
Project/Area Number |
06265101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 善博 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (80175314)
佐藤 健人 東海大学, 医学部, 助手 (50235363)
西村 孝司 東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 胸腺内分化 / NHC拘束性 / T細胞抗原レセプター / トランスジェニックマウス / ポジティブセレクション / ネガティブセレクション |
Research Abstract |
本研究では、T細胞抗原レセプター遺伝子導入マウス(TCRTg)を作製し、positive(PS)及びnegative selection(NS)を研究するin vitro実験系を開発して、その選択機構を分子レベルで解析する。それによって自己反応性T細胞の分化と出現に関する知見を得、自己免疫疾患の発生機序解明の一助とすることを目指す。1994年度の研究では、作製したTCR-Tgマウスが胸腺内での選択機構を研究する良いモデルであることを示し、その一端としてpositive selectionの過程に於けるTCR発現の制御機構について以下の結果をえた。 (1)TCR-Tgでは、TCRは選択性MHC(I-AD)をもつマウスでも非選択性MHCのマウスで同じ程度に発現していたが、DPステージに於けるTCR発現は、前者では高く後者では低かった。DP細胞に於けるTCR発現の強さを規定するものがT細胞に内在する遺伝的支配によるものでなく、胸腺ストローマMHCが選択性形質を発現しているか否かにより決定されることが、修飾したFTOC系で明らかとした。この結果はTCR発現を規定する因子はTCR-MHC分子間作用に依存することを証明すると同時に、FTOCを利用したリンパ球入れ替え実験によりPSを誘導できることを示した。 (2)非選択性MHCマウスに於けるTCR発現低下は抗CD4抗体処理により阻止された。この結果は、TCR発現の低下は単にTCR-MHC分子間作用が欠如のしたためでなく、CD4を介したシグナルによりTCRの発現はdown-regulateされるが、TCR-MHCシグナルはそれを阻止することを強く示唆する。また、TCRのdown-regulationの解除がpositive selectionには不可欠なプロセスと考えられる。これら知見は、positive selectionを説明するモデルとして提唱されているstochastic modelを支持するだけでなく、そのモデルに反論する実験事実との間にあった問題点を矛盾無く説明できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)