移植片に対する細胞間接着の阻害による免疫寛容成立の分子機構の解明
Project/Area Number |
06265215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
磯部 光章 信州大学, 医学部・第一内科, 助教授 (80176263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 守衛 信州大学, 医学部・第一内科, 教授 (70075232)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | サイトカイン / 拒絶反応 / 免疫寛容 / 心移植 / IL-2 / IL-4 / 免疫抑制 / FK506 |
Research Abstract |
【目的】細胞間接着分子の機能を抑制することにより、抗原特異的な寛容が誘導できる。本研究の目的は本寛容導入における胸腺の役割、寛容の安定性、IL-2の産生の異常が伴っているか否かを検討することにある。 【方法と結果】C3H/HeにBALB/cの心臓を移植した。抗マウスICAM-1と抗LFA-1抗体100μgを腹腔内に投与して寛容を導入した。(1)マウスの胸腺を摘出し、4週後に心移植を行い、移植心の生着を検討した。抗体を短期投与した胸腺摘出マウスでは、全例が無期限に移植心を受け入れた。(2)寛容マウスにレシピエントと同じストレインの正常マウスから採取したリンパ球、5×10^7個を静注した。また同じマウスの組合せで心移植を行い、拒絶反応をおこしたマウスから同様にリンパ球を採取して、寛容マウスに静注した。全例移植心の拍動に変化はなく、寛容状態が破綻することはなかった。(3)寛容を導入時に同時にIL-2を投与した。10万単位/7日間を投与したマウスでは7匹中5匹で心拒絶が誘発され、寛容となったのは2匹であった。また寛容心では拒絶心に比べてNorthern blot法でIL-2mRNAが低下していた。(4)同様の方法で、脾臓におけるTh2サイトカインであるIL-4mRNAの発現を検討した。IL-4mRNAは寛容マウスで発現の増強が見られ、拒絶マウスでは、むしろ低下していた。これに対して、FK506で治療したマウスの脾臓では、IL-2、IL-4ともmRNAの発現は低下していた。 【結論】以上、本寛容の導入には胸腺内でのT細胞成熟が必ずしも必要でないこと、正常リンパ球によって寛容は破綻しないこと、寛容の成立に何らかのIL-2の産生異常とTh1/Th2比の相対的低下が関与していることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)