Project/Area Number |
06265216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ 京都大学, 理学部, 助教授 (00115792)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 樹状細胞 / 細胞分化 / 抗原提示 / 食作用 / 消化酵素 |
Research Abstract |
樹状細胞はその分化過程で貧食活性さえ発揮し、成熟に連れてMHCクラスII分子の合成能を消失してそれまでに取り込んだ抗原を有効に保持し、T細胞に対して提示することができる。本研究では種々のアクセリ-分子の発現を再検討すると同時に、抗原捕食後の消化分解能に関与する消化酵素活性と細胞内小器官の同定を試みた。 脾樹状細胞をCD11cを指標に同定しつつ、その消化酵素活性を固定後サポニンで処理した細胞について特異抗体を用いて検討した。生体より調製直後の樹状細胞は、FA11(macrosialin)やLAMP-1,LAMP-2(lysosomal glycoprotein)陽性であったが、マクロファージに比べるとその活性ははるかに低いことが示された。また、培養によりこれの活性はさらに減弱した。対照としたB細胞では、FA11は検出されず、LAMP1-,-2の活性が認められた。一方、2A1によて認識される分子は、樹状細胞では核周辺に点状に分布し、T細胞領域や胸腺髄質のinterdigitating cellに多く検出された。しかし、ランゲルハンス細胞をはじめとして非リンパ系器官の樹状細胞には非常に弱くしか認められなかった。また、骨髄細胞からin vitroで誘導される樹状細胞には成熟が進む7-8日後の細胞に検出された。B細胞でも細胞質に数は少ないが粒子状の染色様態が観察された。樹状細胞には、機能的成熟に伴い種々のco-stimulatory分子の発現が増強されたが、2A1の発現はこれに強い相関関係が認められた。さらに、生体内の2A1抗体を投与した場合にも、陽性細胞の細胞内顆粒内での抗体の蓄積が観察された。この結果は、2A1が、食作用機構のうち後期のステップに関与する小胞に特異的であることを示すと同時に、抗原提示機能にも関与している可能性を示唆している。
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