多様な抑制系に関与する酵母のDNA非結合性転写抑制因子AAR1の機能
Project/Area Number |
06266212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原島 俊 大阪大学, 工学部, 助教授 (70116086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 由紀夫 大阪大学, 工学部, 助手 (60252615)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 出芽酵母 / 転写抑制 / トリプトファン-アスパラギン酸繰り返し配列 |
Research Abstract |
出芽酵母のAar1p/Tup1pは、多様な遺伝子の転写抑制に必要なタンパク質である。Aar1p/Tup1pは、それ自身DNA結合能をもたないが、それぞれの遺伝子に対して特異的に結合するタンパク質を認識して標的遺伝子に接近し、その転写を抑制すると考えられている。以前に、酵母の性分化におけるホメオドメインタンパク質Mata1pとMatα2pのヘテロ二量体による転写抑制が特異的に欠損したaar1-1からaar1-10変異を分離しており、これら変異型Aar1pはMata1p-Matα2pと相互作用できないと予想した。これらの変異部位を決定したところ、Aar1pの7回のトリプトファン-アスパラギン酸(WD)繰り返し配列中の1番目または2番目の繰り返しに異変部位が集中しており、全てのアミノ酸置換が電荷の変化を伴っていた。最近、Aar1p/Tup1pがMatα2pと直接会合することが報告されており、Mata1p-Matα2p二量体もAar1pにおいて変異が集中した領域と会合すると考えられた。aar1/tup1変異株は、性分化能の欠損、グルコース抑制の欠損、プラスミドの安定保持、細胞凝集性などの多様な表現型を示す。これらの表現型の原因となるAar1pタンパク質の標的遺伝子を同定するために、differential display法によりaar1変異株で特異的に発現している遺伝子を多数分離し、現在これらの遺伝子の同定を行っている。また、減数分裂開始に必須のIME1遺伝子の転写が、栄養が豊富な条件下でAar1pにより抑制されることも明らかにした。転写活性科因子が結合する配列を欠失させたプロモーターで高い転写を引き起こす変異株においてMatα2pを介してAar1pを作用させると、その転写が抑制されたことにより、Aar1pによる転写抑制の標的は少なくとも転写活性化因子だけではないことを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
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