多機能性蛋白による糖鎖分解酵素の制御機構とその欠損症の分子病理
Project/Area Number |
06267224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
桜庭 均 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 美智枝 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20216237)
伊藤 孝司 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多機能性蛋白 / 保護蛋白質 / ガラクトシアリドーシス / リソソーム / エンドセリン |
Research Abstract |
糖鎖分解酵素の制御に関する多機能蛋白である「保護蛋白質」の生体内分布と機能について分析した。合成ペプチドを用いて、保護蛋白質の各領域を特異的に認識する抗体を作製した。これらの抗体を利用して、人の組織や細胞内の保護蛋白質の局在を検討した。その結果、組織では腎、肺、肝で高い発現がみられ、それらの大部分が成熟体の形で局在すること、さらに細胞内ではリソソーム内に局在することが示された。 保護蛋白質の遺伝的欠損症であるガラクトシアリドーシス患者由来の細胞の可溶性画分は、エンドセリン-1分解活性が欠損していた。ヒト保護蛋白質cDNAを患者細胞にトランスフェクトすると、エンドセリン-1分解活性が誘導された。非患者の腎、肺、肝などの可溶性画分は、高いエンドセリン-1分解活性を示し、保護蛋白質は持つ酸性カルボキシペプチダーゼ活性の分布と一致した。一方、ガラクトシアリドーシス患者由来の臓器では、これらの両酵素活性は欠損していた。抗保護蛋白質抗体を用いた免疫沈降実験の結果、非患者由来の臓器の可溶性画分が示すエンドセリン-1分解活性の殆んどは、保護蛋白質に基づくと考えられた。保護蛋白質は、生体内における主要な可溶性エンドセリン-1分解酵素であり、両者は局所ホルモンとその不活性化因子として生物機能の制御に係わる可能性が考えられた。 ヒト保護蛋白質のゲノムDNA構造は、また明らかにされていない。そこで、YACライブラリーからヒトの同遺伝子を含むクローンをスクリーニングし、その断片をコスミドベクターに落としてライブラリーを作製した。これを用いて、既知の保護蛋白質cDNAをプローブとしてスクリーニングを行い、陽性クローンを得た。この塩基配列を決定することで、保護蛋白質の遺伝子構造が明らかになると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)