標的遺伝子組換え法を用いたサイトカインの生理機能の解析
Project/Area Number |
06268205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50251450)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 標的遺伝子組換え / 遺伝子欠損マウス / サイトカイン / インターフェロン / インターロイキン-1 |
Research Abstract |
インターフェロン-γ(IFN-γ)遺伝子欠損マウスの作製とその解析 相同組換えによりIFN-γ遺伝子を破壊したES細胞を7クローン単離し、そのうち4クローンについて胚盤胞注入法によりキメラマウスを作製したところ、ひとつのクローンが生殖系列に伝達され、IFN-γ遺伝子欠損マウスの作製に成功した。脾臓細胞をPHAなどにより刺激してIFN-γの発現を誘導しても、ホモ接合欠損マウスにおいては、全くIFN-γが検出されず、完全なIFN-γ欠損マウスであることが確認された。またIFN-γ遺伝子のところに挿入したlacZ遺伝子の発現が、ConA,PHAあるいはPMA+Ionomycinの刺激により誘導され、IFN-γ遺伝子の発現をモニターできることが分かった。まだIFN-γ欠損マウスを用いた解析がなされていない炎症反応に焦点を絞って解析を始めており、特に肝炎においてIFN-γが果たしている役割について明らかにして行きたい。IFN-β遺伝子欠損マウスの作製についても進めているところである。 2.インターロイキン-1(IL-1)遺伝子欠損マウスの作製とその解析 相同組換えによりIL-1α遺伝子を破壊したES細胞を8クローン、IL-1βを破壊したものを1クローン単離し、10-15個のES細胞を2個の8細胞期胚ではさむ集合キメラ法により、キメラマウスの作製を行った。両遺伝子とも毛色が100%ES細胞由来のキメラマウスが多数得られ、IL-1αについては現在生殖系列への伝達を調べているところであるが、IL-1βについては欠損マウスの作製に成功した。IL-1β遺伝子のホモ接合欠損マウスは外見上は正常であるが、今後炎症反応や免疫反応における異常を解析していく予定である。またIL-1αあるいはβ遺伝子のところに挿入したlacZ遺伝子の発現が、LPSの刺激により誘導され、IL-1遺伝子の発現モニターとして機能することも確認された。IL-1β遺伝子を破壊したES細胞を用いて、更にIL-1α遺伝子の破壊を試みたところ、親株を用いた場合に比べて、相同組換えの頻度が5倍以上に上昇した。IL-1αとβ遺伝子は非常に近接して存在するので、近接した領域に既にヘミ接合の領域が存在すると相同組換えが起こり易くなることが示唆された。今後は単離したクローンよりIL-1αとβのダブル欠損マウスを作製し、それぞれ単独に欠損したマウスと比較しながらIL-1全体の機能を明らかにしていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)