Project/Area Number |
06270102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
木下 勉 関西学院大学, 理学部, 助教授 (30161532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 圭 日本医科大学, 医学部, 助手 (50181764)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | アフリカツメガエル / 中胚葉誘導 / 背腹軸形成 |
Research Abstract |
アフリルカツメガエルの8細胞期胚では、動物極背側と腹側の割球間にアクチビンに対する応答能の違いが認められる。この動物半球の極性が体軸の決定とどのようい関わっているのかを調べるため、8細胞期に分離された動物半球の割球をアクチビンで処理し、背側中胚葉の分化マーカー遺伝子(筋アクチンとgoosecoid)の転写を検討した。その結果、背側割球では短時間のアクチビン処理でいずれの遺伝子も転写されたが、腹側割球ではほとんど転写されなかった。しかし、背方化作用で知られるリチウム処理により、腹側割球からも新たにアクチン遺伝子の転写が誘導された。同様の実験を背側中胚葉マーカーであるgoosecoidと腹側マーカーであるXwnt-8を用いて行ったところ、予想に反して、goosecoidの転写がアクチビン処理を伴わないリチウムの単独処理で起こることがわかった。goosecoidの転写量は、リチウムの処理時間に比例して増加した。このとき中胚葉組織の分化は見られなかった。この結果は、goosecoidが中胚葉誘導によってではなく、背側化によって発現する遺伝子であることを示唆している。リチウムはイノシトールリン酸の代謝阻害を通して細胞内のシグナル伝達経路に介入していると予想されている。シグナル伝達経路に作用効果をもつことが知られている数種類の薬剤について、初期胚の背腹軸形成に及ぼす効果を検討したところ、卵割期においてカルシウムイオノフォアの胚軸形成阻害効果が認められた。イオノフォア処理により原腸形成期の陥入点は多極化する傾向が見られ、原腸形成期での発生停止あるいは発生が進んだものについては胴尾部の著しい矮小化が認められた。この奇形胚ではgoosecoidの発現量は正常胚と同等あるものの、発現領域が帯域に薄く広がり、結果として背側中胚葉領域が2カ所に分断されていることが分かった。これはカルシウムイオノフォアにより中胚葉の背方化が抑制さた結果であると推定している。
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