Project/Area Number |
06270220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20098619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | パターン形成 / 肢芽 / 線維芽細胞増殖因子(FGF) / FGF-4 / FGF-8(AIGF) / Sonic hedgehog / 骨形成因子(BMP) / BMPレセプター |
Research Abstract |
細胞間の相互作用にかかわるシグナル分子が四肢のパターン形成における位置価の決定にどのように関係しているかを理解するために、作業仮説としてFGF→Shh→BMPの経路を想定し、これらの相互関係を調べた。 1.FGFファミリー:レトロウィルスベクター(SNIZ)を用いてFGF-4遺伝子を異所的に発現すると、ホメオボックス遺伝子Msx1の発現が誘導され、過剰肢が形成されることを確認した。FGF-8も肢芽のAERで局所的に発現している。しかし、FGF-8の発現パターンはFGF-4の場合と完全に一致していないので、それぞれ異なる機能を持つと考えられる。 2.Shhの役割:Shhは肢芽に重複肢を誘導する活性のある領域、例えばマウスの歯芽、ニワトリの羽芽などでも発現している。初期の羽芽では先端部の外皮で発現し、羽芽の伸展にともなって基部側へ向けて9〜11本の帯状の発現が羽枝皺の境界部で見られる。羽芽ではFGF-4、BMP-2も同時に発現していることから、パターン形成には一般にFGF→Shh→BMPの相互作用が関係していると推定される。 3.TGF-βスーパーファミリー:BMP-2はAERおよびZPAの領域で発現し、Shhの発現領域に一部重なっているが、BMP-2の肢芽前部への単独適用では重複肢は誘導されない。BMPの軟骨パターン形成における役割を理解するために、BMPレセプター遺伝子のクローニングを行った。現在までに、タイプIレセプターを2種類(BRK-1とBRK-2)、タイプIIレセプターを1種類(BRK-3)同定した。BRK-3は脊椎動物で最初に同定された高親和性のタイプIIレセプターであり、これはBRK-1よりもBRK-2との相互作用が顕著で、^<125>I-BMP-4を用いたアフィニティラベルによってBRK-2とBRK-3がヘテロダイマーを形成することを確認した。これらのBMPレセプターのうち、BRK-1は中枢神経系で、BRK-2は肢芽中心部の凝集した間充織および軟骨膜で局所的に発現している。BRK-3のニワトリ胚での発現は弱い。したがって、軟骨分化にはBRK-2/BRK-3のヘテロダイマーがBMPのレセプター系として機能していると考えられる。 一方、TGF-β1のタイプIレセプターは肢芽のAER直下の間充織で一過性に発現しているが、それは前肢(翼)よりも後肢(脚)で強く発現し、後肢と前肢の形態の違いにTGF-β1が関係している可能性が示唆された。
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