Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
近年,高圧送電線・各種の高出力電気機器など強力な電磁源が日常空間に現れ,我々は人類史上未経験の人工電磁環境にさらされている.最近,これらの電磁環境が生体に対しストレス性を有していること,生体の日周リズムに影響を及ぼすことなどが知られ,その解明が急がれている.欧米では既に多くの研究が行われているが,現在のところ影響を発現する生体曝露量の閾値や条件はほとんど未知に等しく,研究者間でも統一された見解はみられない.そこで,人工電磁環境の生体作用の定量的解析をめざし,数値解析法ならびに電界関知閾値の計測法を開発するとともに,それらを人体や実験動物に適用し影響評価を試みた. 前者の生体爆露量解析により,人体に対する電界集中の分布および集合の度合い(印加電界値に対する比,enhancement factor)を定量的に求めることが可能となった.この解析をとおし,enhancement factorが空間イオンの存在によって大きく左右されることが明らかとなった.また,人体と動物ではenhancemet fatorが大きく異なること,また同じ動物でも姿勢によってその値が異なることが明らかとなった.これらの値は,実験動物を用いた曝露実験の結果を人体の場合に外挿する際に重要な情報となる. 後者の電界感知閾値計測手法により,ヒトの電界感知閾値の解析が可能となった.この解析をとおし,相対湿度の変化に伴い電界感知閾値が顕著に変化する可能性が認められた.今後この解析を進め,平行して行っている電界のストレス性の解析結果と総合することにより,これまでより信頼性の高い生体作用の定量解析が可能となると思われる.これらの手法は,生体影響が報告されるたびに論争となる再現性の問題や安全基準値の問題に対し,有効な解決手段を提供するものと考える.
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