神経毒のニューロン死機構:アポトーシスの関与と新規神経由来因子の防御作用
Project/Area Number |
06272203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ニューロン死 / 神経毒 / 細胞内機構 / アポトーシス / NO / LPS |
Research Abstract |
培養C6グリオーマ細胞において、エンドトキシン(LPS)とインターフェロンγ(IFN-γ)を同時刺激することによって誘導型NO合成酵素(iNOS)が発現することを見い出した。その詳細な情報伝達機構を解析するため種々検討した。この二つの薬物によるiNOSの誘導はチロシンキナーゼ阻害薬であるハービマイシンAで抑制されたことから、蛋白質リン酸化が必要であることがわかった。IFN-γはJAK2キナーゼの自己リン酸化(チロシン残基)を引き起こしたが、このリン酸化はハービマイシンAによって抑制されなかった。一方、LPSは核内転写因子のNF-kBの活性化を引き起こした。この活性化はiNOS誘導を抑制する濃度のハービマイシンAで抑制された。また、LPS刺激は低分子量GTP結合蛋白質のRasを不活性型(GDP型)から活性型(GTP型)にさせた。さらに、この活性化に伴うmitogen-activated protein kinase(MAPK)の活性化をも引き起こした。この活性化にもチロシンキナーゼが関与していることから、このカスケードも酵素誘導に関与している可能性が示唆された。次に、NOドナー(sodium nitroprusside(SNP),S-nitroso-N-acetylpenicillamine (SNAP))をニューロンモデル細胞(PC12細胞やNG108-15細胞)に作用させると、細胞死の指標の一つである乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の漏出がおこった。さらには、NG108-15細胞では同時にDNAの断片化も見られた。このことから、NOは細胞死を引き起こすことがわかった。SNPはglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)とNADとの反応(GAPDHの修飾)を亢進させ、活性の低下をも引き起こした。このGAPDHの阻害薬であるkoningic acidをNG108-15細胞に作用させるとLDH漏出が起こったことから、NOによる細胞死のメカニズムの一つにGAPDHが関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)