神経細胞死に関与するグルタミン酸トランスポーターの解析
Project/Area Number |
06272219
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 講師 (20216063)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 眞利子 大阪府立看護大学, 短期大学部, 助教授 (80192409)
和中 明生 大阪大学, 医学部, 助教授 (90210989)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | グルタミン酸トランスポーター / 虚血 / グリア細胞 / 神経細胞死 / GLAST |
Research Abstract |
我々は、ウシ網膜のcDNAライブラリーより、ウシグルタミン酸トランスポーター(GLAST)のcDNAを単離した(サントリ-生物有機科学研究所堺谷政弘先生との共同研究)。この遺伝子は3.8kbで542のアミノ酸をコードしていた。次にこのクローンをアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、voltage clamp法でelectrogenicなグルタミン酸の取り込みを記録したところ、ウシGLASTのグルタミン酸の取り込みに対する親和性Kmは38.1であった。また、in situ hybridization法による解析の結果、GLASTmRNAはBergmann glia細胞、脳の幅広い領域のastrocytes、最終野、脳弓下器官等の脳室周囲器官等に発現していた(国立精神神経センター田中光一先生との共同研究)。また網膜ではGLASTはMuller細胞とastrocyteのグリア系の細胞に発現していた。次に一過性の網膜中心動脈閉塞再潅流のモデルラットを作製し、GLASTの遺伝子発現変化を検討したところ、再潅流48時間後にGLASTのmRNA発現量の顕著な増加を認め、一週間後にはGLASTmRNAの発現はコントロールレベルにまで減少した。さらに抗GLAST抗体を用い、同じ系でGLAST蛋白の局在を免疫組織化学法により検討したところ、Muller細胞はその突起を網膜の殆ど全ての層にわたって伸ばしているが、正常時にはGLAST蛋白の局在はその突起の外網状層、内網状層、神経節細胞層に位置する部分に限局していたが、内顆粒層で神経細胞死が起こっている48時間後には、GLAST蛋白は内顆粒層のMuller細胞の細胞体や突起に強い標識が認められ、再潅流後一週間ではGLAST蛋白は外顆粒層でも認められた。このことは、一過性の網膜虚血、細胞外のグルタミン酸による神経細胞死という過程の中で、Muller細胞に発現するグルタミン酸トランスポーター(GLAST)はそのmRNAの発現量を変化させるばかりでなく、同一細胞の突起内でもその蛋白の局在を変化させ、この病的な状態に機能的に対応しているものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)