中枢神経系の発生におけるbcl-2遺伝子の機能の解析
Project/Area Number |
06272220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
恵口 豊 大阪大学, 医学部, 助手 (20243206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | bcl-2 / bcl-x / apoptosis / hypoxia / cell death |
Research Abstract |
ヒト濾胞性リンパ腫に関与するがん遺伝子bcl-2は、過剰発現されるとリンパ球や神経系細胞の細胞死を抑制するという非常に特異的な活性を持つ。我々は中枢神経系の発生過程におけるプログラム死に対するbcl-2及びその関連遺伝子bcl-xの関与を検証し、その機構を明らかにするため、神経系、あるいは全身で同遺伝子を構成的あるいは調節的に発現するトランスジェニックマウスの作成を試みた(現在進行中)。また、Bcl-2が細胞死を抑制する分子機作に関して、最近Antioxidantとして働くことが示唆されているが、これに反する知見を得た。Bcl-2がAntioxidantとして働くかどうかを検証するために、低酸素下で誘導される細胞死とそれに対するBcl-2の機能を検討した。ラット肝がん細胞株7316AとラットPheochromocytoma株PC12は低酸素条件下で48時間培養すると約半数の細胞が細胞死を起こす。これらの細胞にBcl-2又はBcl-xLを発現させると、この細胞死は抑制された。ESR spin trap法により活性酸素量を定量したところ、低酸素条件下では活性酸素量は検出限界以下であり、また、DNA、蛋白質、脂質の過酸化は検出できなかった。検出限界以下の活性酸素が低酸素条件下で誘導される細胞死に関与している可能性を否定するため、活性酸素スカベンジャー(N-acetylcysteine)及び活性酸素スカベンジャー阻害剤(diethylmaleate)を加えたが、Bcl-2、Bcl-xLの存在、非存在にかかわらず、この細胞死は全く影響を受けなかった。以上の結果は、Bcl-2は活性酸素を介さない機構で細胞死を抑制することを示している。活性酸素が関与する細胞死もBcl-2により抑制されるものがあり、Bcl-2はその細胞死においては活性酸素が機能するステップの下流を制御しているというモデルを提唱することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)