キノリン酸による神経細胞障害にみる脂質過酸化とその障害機序の究明
Project/Area Number |
06272233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 慶一 東海大学, 医学部, 教授 (00055865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順寛 東京大学, 工学部, 助教授 (60134475)
瀧沢 俊也 東海大学, 医学部, 講師 (70197234)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助手 (70216878)
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Project Period (FY) |
1994 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | キノリン酸 / 神経細胞 / 脂質過酸化 / Cキナーゼ / diacylglycerol |
Research Abstract |
まず入手し易かった培養ラット肝細胞を用い、これよりミクロソーム分画を精製した。これに、NADPH-cytochrome C reductase、及びFe^<3+>を加え、脂質過酸化発生モデル系を作製し、これにキノリン酸(QA)を加えた結果、酸素消費量は有意に増加し、QAによりミクロソーム膜での脂質過酸化増強作用があることが確認された。 一方アルツハイマー病の神経細胞に見られるneurofibrilary tanglesや、阻血-再疎通障害の際の海馬回の神経細胞のシナプシス可塑性(synaptic plasticity)の変化などにおいて、それぞれ特定の蛋白(tau,F1 Proteinsなど)のCキナーゼ(PKC)による燐酸化促進が意味を持っていることが報じられている。そこで、QAなどにより神経細胞に脂質過酸化が増強した場合、どのような細胞反応、あるいは代謝障害を経て、神経細胞の変性、細胞死がもたらされるのかを追求する一方策として、細胞の脂質過酸化とPKCとの関連を明らかにすることにした。まず、本年度は大豆の膜燐脂質より酵素的に1、2-diacylglycerol(DAG)を精製し、これより空気中の自動酸化により過酸化DAG(DAG-OOH)を作製した。ラット脳よりPKCを抽出し、部分精製し、これに(1)native DAG(通常のDAG)、(2)DAG-OOH、(3)PMA(ホルボールエステル)をそれぞれPKCの活性測定系に加え、その活性化作用を観察した。その結果、DAG-OOHはnative DAGと比較し、反応時間、容量依存性テストから見ても数倍の強い活性化作用が認められ、それは異常に強い活性化作用を持つことで知られるPMAと比較し得るものであった。以上の点から、神経細胞も脂質過酸化増強を見た場合には、異常なPKC活性化などを介し、代謝障害、細胞障害を受ける可能性があることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)