選択的神経細胞死を誘発ないし防護する興奮性アミノ酸関連薬物の開発
Project/Area Number |
06272239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
篠崎 温彦 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 美知子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 神経細胞死 / グルタミン酸 / paraplegia / 筋萎縮性側索硬化症 / 脊髄運動神経細胞 |
Research Abstract |
カイニン酸やアクロメリン酸などを全身投与すると、同じグルタミン酸familyの中でもアゴニストの違いにより神経細胞死の誘発部位が異なることは興味深い。ことに神経変性疾患との関係を論ずる場合は、重要なヒントを与えてくれる。血液脳関門が未だに形成されていないと考えられる出生直後からラットに連日大量のグルタミン酸を皮下注射したところ、数日後に脊髄前角運動ニューロンの喪失を伴う神経変性疾患が認められた。下肢の麻痺が初発の症状であり、視覚神経と脊髄下部の神経変性が顕著で完全に盲目となる。下半身には全く痛覚がなくなり、下肢の萎縮が顕著であり、かつ、関節の拘縮を伴う対麻痺が起こる。脊髄の細胞構築は乱れ、運動ニューロン喪失に伴い前根が異常に細くなっている。脊髄反射電位はほとんど認められず、尿失禁のため皮膚は潰瘍状になる。サブスタンスPの抗体による免疫組織化学染色によれば、脊髄下部後索の染色性が極端に低下しているが、後根神経節の細胞は正常に保たれている。新生ラットに同様な方法でグルタミン酸を大量投与することにより肥満ラットが作られ、視床下部に変性が生ずることは、すでに報告されている実験事実であるが、ほぼ同様の方法でグルタミン酸により脊髄前角運動ニューロンの喪失を伴うparaplegic ratが作られたことは、学術的に意義深いと考えられる。このモデル動物の更なる病理学的検索を現在進めているが、同時に、現時点ではこのparaplegic ratの発生率が極めて低いため、これを上昇させるべく方法の改善を図っている。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の実験動物モデルの作成に成功したとの報告はまだなされていないが、脊髄前角細胞が脱落する動物モデルを作成できたことは画期的なことであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)