神経系におけるストレス蛋白質(αBクリスタリンとHSP27)の応答とその生理的役割
Project/Area Number |
06272243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (10250250)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ストレス蛋白質 / ストレス応答 / クリスタリン / HSP27 / エタノール / プラゾシン / アラキドン酸カスケード |
Research Abstract |
1)ラットに42℃/20-15分間の熱ストレスを負荷すると、肝臓および副腎の可溶性分画中のhsp27とαBクリスタリンは核分画への移動のため一過性に減少するが、十数時間後には対照ラットの数倍の高いレベルに達した。中枢神経系でもhsp27のストレス誘導が認められたが、αBクリスタリンの誘導は軽度であった。熱ストレス負荷直前にエタノール(4ml/kg)あるいは、α1-adregernic blockerであるプラゾシン(0.8mg/Kg)を投与しておくと上記の臓器・組織でのhsp27およびαBのストレス誘導が著しく抑制された。hsp70の誘導も同じように抑制された。しかし、エタノールあるいはプラゾシンを、ストレス負荷直後に投与した場合はストレス誘導は抑制されなかった。以上の結果は、個体レベルでのストレス応答にはストレス負荷時だけに作動する内因性因子が関与し、その過程がエタノールあるいはプラゾシンで抑制を受けることを示唆した。 2)C6ラットグリオーマ細胞中のhsp27とαBクリスタリンは熱ストレス(43℃/30min)および化学ストレス(50mMaresenite/60min)に応答して誘導される。このストレス負荷時にcyclooxygenaseの阻害剤であるindomethacin lipoxygenaseの阻害剤であるNDGA、あるいはphospholipase A2の活性化剤であるmelittinを共存させるとhsp27、αBクリスタリンのみならず、hsp27のストレスが応答が著しく促進された。促進効果はストレスは軽度の時ほど顕著であった。この結果は、ストレス応答がアラキドン酸カスケードの代謝活性と密接に連関し、細胞内遊離アラキドン酸濃度が高くなると、ストレス応答の閾値が低くなり、その結果ストレス応答が促進されることを示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)