PCRダイレクトシーケンス法の改良および絶滅種を含む哺乳類進化の分子系統学的解析:ミトコンドリアDNAおよび核内リボソームDNAの遺伝的分化
Project/Area Number |
06273201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆一 北海道大学, 理学部, 助手 (80192748)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | PCR / DNAシーケンス / 絶滅種 / 哺乳類 / 進化 / 分子系統 / ミトコンドリアDNA / 種間関係 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通りである。 1.DNA抽出法およびPCR法を改良・簡略化し、PCRダイレクトシーケンス法の改善化をはかった結果、明瞭なシーケンスデータをより迅速に得ることができるようになった。 2.ネコ科におけるイリオモテヤマネコの進化遺伝学的位置を探究するため、mtDNAの12SrRNA遺伝子およびチトクロームb遺伝子の部分領域について塩基配列を決定し比較解析した結果、イリオモテヤマネコはアジアに広く分布するベンガルヤマネコに極めて近縁であることが明らかになった。塩基置換から推定した両ヤマネコの分岐年代は約20万年前と推定され、これは琉球列島がアジア大陸から分離した地質学的年代とほぼ一致した。 3.日本産を中心とするイタチ科11種においてチトクロームb遺伝子領域の塩基配列を決定し、その系統種間関係を考慮することができた。その中でも、従来、同種(亜種)または別種と議論されてきたニホンイタチとシベリアイタチの間の遺伝的分化が各々の種内変異よりも大きいことが明らかになった。 4.ニホンジカにおける12SrRNA遺伝子およびチトクロームb遺伝子の部分領域ならびにD-loop全塩基配列を決定し、日本列島におけるニホンジカの進化を詳細に考察した。 5.シベリア永久凍土層から発掘された絶滅種マンモス組織(^<14>C年代測定により約9600年前のものと推定)からのDNA抽出とPCR増幅に成功し、チトクロームb、12SrRNAおよび16SrRNAの各遺伝子領域について塩基配列を決定することができた。現在、他のマンモス標本の分析も行いながら現生アジアゾウおよびアフリカゾウと比較し、マンモスの系統進化学的位置の解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)