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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
Basic-helix-loop-helix(bHLH)領域をもつMyoDファミリー蛋白質は,骨格筋細胞の分化を誘導するmaster regulatorとして機能している.心筋細胞にも分化を誘導する蛋白質因子の存在が想定されるが,いまだにその実体は明らかになっていない.しかしいくつかの状況証拠から,心筋細胞にもMyoDファミリーと同様にIdやE2A遺伝子産物(E12,E47,など)とダイマーを形成するbHLH蛋白質が存在すると考えられる.そこでこの仮定に基づき,心筋細胞分化誘導因子を同定することを目的として,マウス心筋のλZAPII cDNA発現ライブラリーを作製した.現在,ビオチン標識したGST-Id-1ならびにGST-E12融合蛋白質をプローブにしてこのライブラリーをスクリーニングし,Id-1またはE12に結合する蛋白質のcDNAクローニングを行なっている.またMyoDのhelix2領域に対する抗体が心筋細胞の蛋白質を認識することが報告されているので,3'RACE-PCR法によりこの蛋白質のcDNAクローニングを試みている. 心筋細胞や骨格筋細胞では成熟にともない,筋収縮を担う筋原線維が発達する.筋原線維形成の初期の段階では,その構造は非筋細胞にみられるmicrofilament bundlesに類似している.非筋細胞のmicrofilament bundlesの形成は低分子量G蛋白質のRhoによりもたらされる.そこで筋特異的Rhoが存在すれば,それは筋原線維形成に関与している可能性が考えられる.この仮定に基づいて,骨格筋細胞株C2筋管細胞のcDNAライブラリーよりいくつかの低分子量G蛋白質cDNAsをクローニングした.そのうちの一つがコードしている蛋白質はRhoと相同性がみられ,筋特異的Rhoと考えられる.これは心筋細胞にも発現していた.これが筋原線維形成に関与しているかどうか今後検討する.
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