シグナル伝達因子としての心臓由来一酸化窒素合成系に関する研究
Project/Area Number |
06274209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 恭信 東京大学, 医学部(病), 助手 (70167609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 宏 東京大学, 医学部(病), 医員
高橋 利之 東京大学, 医学部(病), 助手 (40236302)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 心筋細胞 / インターロイキン / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
近年、サイトカインの作用機序に一酸化窒素(NO)の関連が示唆されている。この内、interleukin-6(IL-6)は心不全や心筋炎などで増加していることが示されている。そこでIL-6とNOあるいはその心機能への影響を検討するためにラットおよびハムスターの単離潅流心にIL-6を投与して潅流液中のNO濃度を化学発光法で測定すると、NO遊離の増加を認めた。その機序の詳細を検討するために10日目chick胚培養心筋細胞にIL-6を投与すると用量依存性に細胞内Ca^<2+>濃度(indo-1蛍光法)の減少と共に細胞収縮振幅(video motion detector)が減少した。これらの作用はNO合成阻害薬であるL-NMMAで抑制され、L-arginineの補給により再現した。IL-6投与により心筋細胞内cGMP濃度は投与後5〜30分と24時間後に2峰性に増加した。前者はL-NMMAあるいはEGTAの前処置により抑制されたが、後者はEGTAでは抑制されず、L-NMMAあるいはdexamethasone処置により抑制された。これらのことから心筋細胞においてIL-6は収縮期細胞内Ca濃度を減少させ、陰性変力作用を示した。この作用は心筋細胞に由来する構成的に発現したNO合成酵素の活性化による心筋内NOおよびcGMP産生の増加によると考えられた。またIL-6はCa^<2+>非依存性のNO合成酵素も心筋内に誘導し、同様にNOひいてはcGMPの産生により陰性変力作用を発揮したと考えられ、心筋炎症時の心機能の変化にIL-6の関与が推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)