Project/Area Number |
06274213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 美佳 名古屋大学, 医学部, 助手 (10238090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 高將 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | PhIP / 心毒性 / ミトコンドリア呼吸活性 / ミトコンドリア遺伝子 / 活性酸素障害 / 遺伝子欠失 |
Research Abstract |
【目的】国立癌センターのグループにより変異原性が指摘された加熱調理肉に含まれる2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]phridine(PhIP)は、ミトコンドリア(mt)毒性を持ちパーキンソン氏病を引き起こすMPP^+と類似の構造を持っており、mt傷害作用を持つことが推定された。そこで、我々はラットへのPhIP投与実験を実施し、PhIPのmt遺伝子障害による心毒性を検証した。【方法】ラットにPhIP100mg/kgを週2回投与し、2,4,8,12週間後に心臓,横隔膜筋,大腰筋,肝臓よりmtを調製し、呼吸機能(呼吸調節比、State IIIの酸素消費速度)、ヒドロキシルラジカル産生能およびmt電子伝達系複合体I〜IV活性を測定しcontrol群と比較した。さらに、心臓よりmtDNAを抽出し、ミクロ高速液体クロマトグラフィー/質量分析計システムを用いて8-hydroxy-deoxyguanosine(8-OH-dG)を定量し、PCR法にて遺伝子欠失を検出した。【結果】PhIP投与群の心筋において、mt呼吸機能がcontrol群に比し有意に低下し、mtからのヒドロキシルラジカル産生量は増加していた。電子伝達系酵素は、心筋,横隔膜,大腰筋において、複合体Iの活性のみPhIPの用量依存性に低下した。他の複合体では有意な変化を認めなかった。一方肝臓では、呼吸機能、電子伝達系酵素活性は共に有意な低下を認めなかった。さらに、心筋mtDNAにおいて、8-OH-dGが用量依存性に蓄積し、遺伝子欠失も検出された。【考察】PhIPがmt電子伝達系に障害を与え、活性酸素の発生を促進し、その結果、ヒドロキシルラジカル攻撃によってmtDNA中に8-OH-dGが蓄積する。8-OH-dGは複製の際に他の塩基に誤読され、その結果、点変異や8-OH-dGの蓄積はmtDNAの部分的な一本鎖状態を引き起こし欠失が誘因される。これら変異の蓄積より、心筋細胞がエネルギー危機に陥り心毒性を呈するものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)