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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
アダプター分子と総称されるAsh,Nck,Crkなどの連結分子は,細胞内シグナル伝達において鍵となる役割を果たしており,そのSH3領域に他の分子を結合することによって下流にシグナルを伝える.それぞれのSH3ドメインがどの分子にどのようなモチーフを認識して結合するのかを明らかにするため,まずわれわれは,Ashに焦点を絞り,GST融合蛋白質や免疫沈降法を用いて他の蛋白質との相互作用を調べた.その結果,Ras蛋白質に対するグアニンヌクレオチド交換因子であるSosのほかに,新規分子C3Gが発見され,またミクロチュブール結合性GTPaseであるダイナミンがAshに結合することが見出された.これらの結果から,AshのSH3の結合するモチーフの候補として,すでに知られていたmSosのEVPVPPPVPPR,PPESPPLLPPR,HSIAGPPVPPR,3BP1のRAPTMPPPLPPVPPQPAR,3BP2のPPAYPPPPVPなどに,ダイナミンのGPPPQVPSRPNRC,C3GのDPEKPPPLPEKKNがつけ加えられたことになるが,これだけの情報ではこれらの分子間相互作用を実現しているペプチドモチーフについてはっきりした結論を得るのは相当困難なように思われる.そこでわれわれはさらに進めて,2分子間の相互作用を検出するというシステムを活用することによってcDNA発現ライブラリをスクリーニングし,Ash,NckのSH3に結合する蛋白質を包括的に検索することにした.すると,これまで知られていなかったSH3に結合する思われる分子がかなり多数発見された.現在それらのcDNAクローンの配列を調べているが,それによって,Ash,NckのSH3ドメインの認識するモチーフがより明確にされるものと期待される.
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