造血幹細胞へのサイトカイン受容体遺伝子導入による造血調節因子作用機構に関する研究
Project/Area Number |
06277216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
井上 達 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50100110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真一郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00240490)
木内 吉寛 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (80012764)
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50106316)
横田 崇 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50134622)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 多能性造血幹細胞 / 遺伝子導入 / サイトカイン / サイトカイン受容体 / IL-3受容体 / 受容体サブユニット |
Research Abstract |
造血因子の受容体については、サイトカイン・ネットワークの概念にも明らかなように、a)多種類の因子が多種類の細胞に関わる反面、一種の細胞が多種の造血因子の刺激を受けること、そして受容体遺伝子構造がいくつかのサブユニットからなる異二量体や、異三量体を構成し、単に一遺伝子についての発現の欠失や増強、といった形だけでは特定遺伝子の効果的な機能研究が進めがたいこと、b)受容体遺伝子特有の問題、すなわち発現量が一般的に乏しいことや、その遺伝子が一般に大きいことなどによる技術的制約、などがある。本研究は遠回りのようでも、サブユニット毎の過剰発現や欠失を引き起こし、これらの様々な組み合わせによって解析する必要があるとの立場に立って計画された。 今回得られた主な結果は以下の3点である。 (1)αβ_<IL3>マウス:IL-3の濃度に応じてSpivak-Sasaki法でも各種培養性コロニーアッセイでもコロニー産生数の総数の増加が観察された。このことから、造血幹細胞レベルで、導入した受容体遺伝子から機能的な受容体蛋白の再構成ができたものと考える。 (2)αβ_<IL3>マウス:(1)に加えてIL-3単独で(エリスロポエチン抜きで)赤芽球系コロニーを含む混合性コロニーが形成されることが明らかとなった。この結果から、機能的高親和性受容体を幹細胞に人為的に発現させることで、より未分化な多能性幹細胞がIL-3に反応してその数が増加すること、さらには、IL-3単独ですべての血球系の分化増殖が支持されうることなどが結論づけられ、受容体研究の新しい課題に直面する形となった。 (3)αマウスおよびβ_<IL3>マウス:それぞれの「ト」マウスのIL-3に対する反応性の結果から、IL-3受容体のα鎖は反応量の上限の決定因子となっていること、他方β_<IL3>鎖の過剰発現はIL-3受容体の機能的高親和性を惹起することなど、受容体個別の機能が明らかになった。 (4)尚、β_<IL3>マウスで見られた機能的高感受性がβ_<IL3>の過剰発現、β_cとの発現量比の変化(もしくは双方)のいずれの要因に基づくものかについては、目下検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)