免疫不全症およびDNA修復欠損の原因遺伝子HYRCの特性と単離
Project/Area Number |
06280225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | マウス重症複合型免疫不全症 / scid / V(D)J組換え / DNA2重鎖切断 / DNA依存性プロティンキナーゼ / HYRC1遺伝子 / p350 / 温熱感受性 |
Research Abstract |
我々は既にヒト染色体8qll領域にマウス重症複合型免疫不全症scidの電離放射線高感受性を相補する遺伝子HYRC1が存在することを報告した。放射線感受性の回復には多くの因子が関与しており、原因遺伝子以外の導入によっても回復が起こることが知られている。そこで本研究ではヒト染色体8qll領域による他のscid形質の回復を検討した。この結果、RAG遺伝子とcoding jointおよびsignal joint基質プラスミドとの共トランスフェクションによるアッセイでV(D)Jrecombination,そしてMembrane fillter elution法によりDNA二重鎖切断再結合能の回復が、それぞれ8qll領域遺伝子導入で起こることが確認された。また、scid細胞ではDNA依存性プロティンキナーゼ(DNA-PK)活性が顕著に低下しているが、8qll領域の導入により回復することも明らかにした。このことはscid突然変異がDNA-PKによるシグナル伝達に欠陥があることを示唆している。 我々はさらにscid細胞が温熱高感受性であることを報告した。今回、scid細胞では放射線照射と温熱処理により相乗効果があることが明らかとなった。例えば、放射線単独の場合のDo=0.72Gyが温熱処理併用によりDo=0.35Gyに減少する。温熱処理による増感効果はDSB再結合能の欠損による。放射線照射後にscid細胞DSB再結合でみられた60%程度の回復は、44℃15分で処理することにより完全に消失した。一方、RD13B2細胞では温熱処理によってもDSB再結合能が維持されており、HYRC1遺伝子はscid温熱感受性にも関わっていることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)