Project/Area Number |
06280231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 康夫 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (00046278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20240947)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 肝炎 / B型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / 肝癌 / 肝炎ウイルス / 糖タンパク質 / 受容体 / レセプター |
Research Abstract |
本研究は、1)ヒト肝癌発症の原因ウイルスであるB型およびC型肝炎ウイルスの機能的受容体の構造と性質を解明し、ウイルス性肝癌の発症機構における宿主受容体の役割を明らかにすること、2)これにより肝癌発症の予防、診断、治療への基礎的応用的情報を得ることを目的としている。 本研究によって、B型肝炎ウイルス受容体に関して、1)ヒト肝臓の微量糖タンパク質にB型肝炎ウイルス表面抗原(HBSAg)粒子が結合することを見いだした。この糖タンパク質をかなりの純度まで精製できた。さらにS-proteinのみからなるHBsAg(遺伝子組み換え酵母発現系)のみからなるHBsAg粒子も、このヒト肝臓由来糖タンパク質結合することが解った。2)この糖タンパク質に存在するシアル酸含有糖鎖は、HBsAg粒子との結合に必須であること、この糖鎖は、Neu5Acα2-6Gal、Neu5Acα2-3GalおよびGalβ1-3GalNAcを含有するムチン型糖鎖からなることを見いだした。3)HBsAg粒子に結合性を示すヒト糖タンパク質画文に対する単クローン抗体の作製に成功した。糖タンパク質画分に反応性を示す13種類の単クローン抗体が得られこれらのうち3種類が本糖タンパク質とHBsAg粒子との結合を阻止した。このうち1種類は、糖タンパク質の過ヨウ素酸処理により抗体との反応性が消失することからHBsAgが結合する糖鎖を認識しているものと思われた。現在この抗体をもちいたヒトおよび動物組織の免疫組織学的解析を進めている。 C型肝炎ウイルスに関して1)受容体のアッセイ系を確立するためにバキュロウイルスベクターを用いてE1およびNS1/E2を発現させた昆虫細胞からE1およびNS1/E2の抽出条件を抗E1およびE2抗体を用いたドットブロット法を調べた。その結果、ある種の陰イオン性界面活性剤がC型ウイルス膜抗原を抽出する上で極めて有効であることを見いだし、これを用いてC型肝炎ウイルスの受容体をアッセイする基礎的方法論が確立出来た。 以上、BおよびC型肝炎ウイルス受容体に関して大きな進展が見られた。さらにこれら受容体の全貌、肝炎ウイルスの感染機構、肝癌発症の機構を解明したい。
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