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¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
F344雄ラットに3,2′-dimethyl-4-aminobiphenyl(DMAB)を発がん物質として隔週に1回10回皮下投与し,そのあと種々の処置を40週間行ない60週間で終了する実験モデルを用いて下記の成果を得た。 1.DMABを投与後,20週から1-5群にそれぞれTP,TP+ethinyl estradiol(EE),DHT,DHT+EE,EEを60週まで投与し,アンドロゲンとエストロゲンの相互作用を検討した。ホルモンは何れもシリコンチューブに入れ,皮下に埋植した。TPとDHTは2cmの長さの,またEEには1cmの長さのチューブを用いた。その結果,EE投与群では下垂体腫瘍のため全例早期に死亡した。しかしTP+EEとDHT+EEでは下垂体腫瘍の発生は殆どなく長期間生存した。背側葉と前葉の浸潤がんはTPあるいはEP+EEの群にのみ見られ,その他の群には全く無かった。その発生頻度はそれぞれ18と29%,それに71と86%であった。非浸潤型である腹葉がんの発生頻度は1-4群で6,0,17,11%で,対照群の6群では33%であった。 2.DMAB投与後TPおよびEEを単独または同時に40週間投与した。TPの投与濃度を一定にし,EEの濃度を4段階に設定し,エストロゲンの濃度依存性があるかどうかを検討した。そのためTPは2cmのシリコンチューブに,EEは1cm,0.5cmのシリコンチューブで投与,あるいは飼料中に1.5ppm,0.75ppmの濃度で混じて投与した。また EEの代わりに17β-estradiol(E2)を2段階の濃度すなわち0.5cmのチューブあるいは2ppmで飲料水とともに投与する群を設けたその結果,DMAB単独群では腹葉のみにがんがみられTPの追投与により側葉,背葉,前葉および精嚢に浸潤がんが発生し,腹葉がんの発生が抑制された。低用量のEEとTPの同時投与群ではTP単独群と同様なスペクトラムのがんが発生したが,EEの濃度が上昇するに従い,側葉および背葉のがんの発生率が上昇し逆に精嚢のがんは消失した。E2もEEと類似した結果を呈した。
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