FCF-8と不飽和脂肪酸を介したホルモン依存性癌増殖の分子機構
Project/Area Number |
06281237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠山 宗正 大阪大学, 医学部, 助手 (10240839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 義博 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
幸原 晴彦 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | シオノギ癌115 / アンドロゲン / FGF / 不飽和脂肪酸 / リノール酸 / パルミチン酸 / GC-MS |
Research Abstract |
無血清培地下でアンドロゲン依存性増殖を示すシオノギ癌115由来樹立細胞株SC-3は、テストステロン(T)依存性に自己増殖因子FGF-8を分泌する。T依存性増殖におけるFGF-8の寄与を明らかにするため、SC-3にFGF-8発現ベクターを移入し恒常的にFGF-8を分泌するクローンA1を得た。A1はT非存性にDNA合成の促進を認め、これはFGF-8アンチセンス・ヘパリン・スラミンによって抑制された。この結果は、SC-3のT依存性DNA合成におけるオートクリン因子としてのFGF-8の役割を証明するものである。しかしながら、A1は無血清培地下ではその細胞増殖を持続させることができなかった。そこで、FGF-8の細胞増殖作用に必要な、血清中に含まれる因子の同定を試みた。 その結果、リノール酸(LA)やパルミチン酸などの不飽和脂肪酸の存在下では、無血清培地においても、FGFによるSC-3の持続的細胞増殖を認めることが判明した。LAは、低血清培地におけるSC-3の軟寒天上コロニー形成にも必須の因子であった。さらにLA存在下では、FGFは無血清培地でのNIH3T3の細胞増殖を促進した。以上より、FGFの細胞増殖作用に不飽和脂肪酸が必須であること、この作用はSC-3に特異的な現象ではないことが判明した。 次いで、無血清培地下でTがSC-3の持続的細胞増殖を誘導する機構を解析するため、T刺激SC-3の細胞抽出分画・培養液中の脂肪酸をGC-MS法により分析・定量した。その結果、T刺激による各分画の脂肪酸含量に有意の変化を認めなかった。すなわち、SC-3はT刺激により、FGF作用に必須の、不飽和脂肪酸とは異なる他の因子を誘導することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)