改良SCIDマウスを用いたヒト良性腫瘍の特性と悪性化に関する研究
Project/Area Number |
06281240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 裕夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20237275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本行 忠志 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
奥村 隆司 大阪大学, 医学部, 助手 (20214075)
井上 正樹 大阪大学, 医学部, 講師 (10127186)
宮田 正彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028631)
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | ヒト良性腫瘍 / 改良SCIDマウス / 悪性化 / 形態の維持 / 機能の維持 / 放射線 / 化学発がん物質 |
Research Abstract |
1.Selective Inbreedingによるscidマウスの改良とその量産化:SCIDマウスはT,B両細胞機能を欠損する。しかし、従来のC.B17-scidマウスの約50%が、T、B両細胞機能がleakするためマウス同士の皮膚移植も50%位に低下するとともに、50-80%が生後短期間に白血病死する。いずれもヒト腫瘍移植に対し、大きな障害になっている。全てのC.B17-scid/scidマウスの血清中lgG,lgMを測定し検出限界以下(<1μg/ml)のものを選択し、無菌室において20代以上ホモ交配した。これに伴いleaky SCIDマウスと白血病死は1%以下に激減したのでその量産化を行い、各種ヒト良性腫瘍の移植を行った。 2.SCIDマウスでのヒト良性腫瘍の増殖と悪性化:ヒト頭頚部、生殖器および消化器領域良性腫瘍を改良型SCIDマウスに皮下移植した。頭頚部領域では、甲状腺濾胞腺腫2例が36/40(90%)、副甲状腺腺腫2例が7/10(70.0%)、喉頭パピローマ1例が8/8(100%)、舌パピローマ2例が3/6(50%)、耳下腺腺腫2例が52/52(100%)とSCIDマウスで10世代にわたって30ケ月間形態をきれいに保ちながら維持されている。婦人科領域では、胞状奇胎、子宮内膜増殖症が同様に維持された。また、ヒト大腸ポリ-プ7例22/35(62.9%)が8世代にわたり、30ケ月間維持されている。いずれも形態はよく維持されている。これらの移植良性腫瘍にDMBA(100μg/ml)を作用させたところ22例中8例に悪性腫瘍が発生した。C.B17-scid/scidおよびC.B17-^<+/+>マウスへの移植テスト、染色体分析、DNA解析より、いずれもマウス由来の繊維肉腫であった。また、移植良性腫瘍88例中3例にヒト未分化癌が自然発生した。 3.ヒト良性機能性腫瘍:ヒト副甲状腺腺腫および胞状奇体は移植後300日近くたってもヒトPTH、HCGを分泌しており、マウス血中、尿中より高濃度に検出された。従って、これら組織は改良SCIDマウス体内で正常に機能を発していることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)