コレシストキニン/ガストリン受容体を介するヒト癌細胞増殖の分子機構
Project/Area Number |
06281242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松井 利充 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (10219371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 勉 神戸大学, 医学部, 教授 (30188487)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | コレシストキニン / ガストリン / 受容体 / チロシンキナーゼ / 細胞骨格 / 肺癌 / ノックアウトマウス / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
ヒト癌細胞におけるコレシストキニン(CCK)-B/ガストリン受容体の生物学的意義を明らかにするため、当該受容体遺伝子をクローン化しその機能解析をおこなってきた。本年度、本受容体を介するシグナルが、細胞増殖のみならずアクチン細胞骨格の再構成を制御していることを見いだした。その細胞内情報伝達において、c-Srcなど種々のチロシンキナーゼが活性化され、増殖因子受容体の情報伝達系とクロストークしていることを明らかにした。さらに、ストレスファイバー形成とp125^<FAK>チロシンリン酸化におけるc-Srcの役割をあきらかにした。また、CCK-B/ガストリン受容体遺伝子発現とその生理的機能の解析を目的として同受容体遺伝子欠損マウスを作製した。肺小細胞癌マーカーとしてのCCK-B/ガストリン受容体遺伝子発現の有用性および新しい本受容体拮抗剤YM022のヒト癌細胞増殖抑制能についても報告した。本研究によって、CCK-B/ガストリン受容体は、細胞増殖促進作用のみならず、細胞骨格の再構築を介し腫瘍細胞の接着や運動性にも関与している可能性が示唆された。ヒト受容体遺伝子の解析より、2種の受容体アイソフォームが存在しうることを見いだし、いずれの受容体も細胞増殖促進作用を有することをあきらかにした。正常組織においては短型受容体が優位に発現している。今後、腫瘍組織における発現の違いや変異受容体の有無を明らかにしたい。また肺癌における本受容体遺伝子発現の病理組織(肺小細胞癌)特異性は今後、肺生検組織を用いた肺小細胞癌の新しい分子病理学的診断法の確立につながると考えられる。さらに、新しい受容体拮抗薬YM022はin vivoにおける抗ガストリン作用のみならず、種々のヒト癌に対する抗腫瘍作用が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)