MAPキナーゼキナーゼ活性化の多様性と細胞異常増殖シグナル伝達機序
Project/Area Number |
06281265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸所 一雄 理化学研究所, 安全評価研究室, 副主任研究員 (80172170)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | MAPキナーゼキナーゼ / シグナル伝達 / エリスロポエチン |
Research Abstract |
チロシンキナーゼ活性のないサイトカインレセプターからは、レセプターに結合するチロシンキナーゼからRas、Raf-1、MAPキナーゼキナーゼ、MAPキナーゼと順次、増殖シグナルが伝達される。しかしMCFやフレンドウイルスのenv蛋白がサイトカインレセプターに結合し増殖因子非存在性に増殖する場合、特異的チロシンキナーゼ、SH2アダプター分子Shc、Ras、Raf-1を活性化せずにMAPキナーゼキナーゼを活性化することを明らかにした。正常なレセプターを介したシグナル伝達と異常増殖シグナルの相違点は、特異的抗体による免疫沈降後のリン酸化反応とウエスタン解析、in vivoラベル後の免疫沈降等により、各キナーゼの活性化を調べた。チロシンキナーゼとしてJAKファミリーとTecファミリーを、セリン/スレオニンキナーゼとしてRaf-1、MAPキナーゼキナーゼ、MAPキナーゼキナーゼキナーゼを測定した。MAPキナーゼキナーゼキナーゼとRaf-1の活性は、不活性化したMAPキナーゼキナーゼを基質としてin vitroでリン酸化反応を見た。その結果、特異的チロシンキナーゼJAK2キナーゼ、Tecキナーゼは正常では活性化されるにも関わらず、ウイルス膜蛋白gp55誘導の異常シグナルではリン酸化されなかった。SH2アダプター分子Shcのリン酸化は正常シグナルでは誘導されるにも関わらず、gp55を介したシグナルではリン酸化されなかった。更にRasは通常GTP結合型に活性化されるが、gp55を介した場合活性化しなかった。またMAPキナーゼキナーゼキナーゼとしてのRaf-1も正常と異常でリン酸化が異なっていた。従ってRaf-1以外のキナーゼがMAPキナーゼキナーゼを活性化していると考えられた。Raf-1とMAPキナーゼキナーゼキナーゼの酵素活性を不活性化したMAPキナーゼキナーゼを基質としたリン酸化反応で、異常及び正常シグナルの相違を検討した。最近MAPキナーゼキナーゼを収束点とする多数のシグナル伝達経路があることが提唱されており、未知のキナーゼが存在する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)