染色体11q13転座リンパ腫の発生機序におけるPRAD1遺伝子の役割
Project/Area Number |
06281271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
瀬戸 加大 愛知県がんセンター, 化学療法部, 室長 (80154665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏡味 良豊 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (30270721)
中村 栄男 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (80180363)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | リンパ腫 / BCL-1 / PRAD1 / cyclinD1 / モノクローナル抗体 / 染色体転座 |
Research Abstract |
染色体11q13領域は免疫グロブリン(Ig)遺伝子との転座がマントル細胞リンパ腫に相関して認められ、また、種々の固形腫瘍においても増幅が認められる。Ig遺伝子転座により活性化される遺伝子はBCL-1と命名されたがその本体は不明であった。本領域よりPRAD1/cyclinD1遺伝子及び他の候補遺伝子が単離されているが、我々はこれまでに11q13とIg重鎮(IgH)遺伝子との染色体相互転座t(11;14)(q13;q32)を有する細胞株に一致してPRAD1遺伝子過剰発現を見いだし、PRAD1遺伝子がBCL-1遺伝子そのものである可能性を示唆した。 今年度の成果として、11q13領域と22q11領域との相互転座症例を解析することにより、BCL-1遺伝子の本体はPRAD1遺伝子そのものであることを示した。すなわち、本症例は、PRAD1遺伝子の過剰発現が認められ、且つ、Igλ遺伝子がPRAD1遺伝子5の位置で転座接合しており、Ig遺伝子転座により活性化されるBCL-1遺伝子は本症例の転座切断点よりcentromere側であることが示された。11q13領域においてIg遺伝子転座により活性化されるBCL-1遺伝子はIgH転座切断点と本症例転座切断点の間に位置することが必須となり、その間にはPRAD1遺伝子のみが存在するためPRAD1遺伝子がBCL-1遺伝子の本体であると結論された。また、大腸菌でリコンビナントPRAD1を作製し、免疫源として抗PRAD1特異的モノクローナル抗体を作製した。5D4抗体はフォルマリン固定パラフィン包埋組織でも免疫染色が可能であった。19例のマントル細胞リンパ腫を含む多数例のリンパ腫を用いてPRAD1mRNAの過剰発現と免疫染色を比較検討したところ、mRNAの過剰発現はマントル細胞リンパ腫の80%に認められ、mRNA過剰発現に一致して核染色陽性像が認められた。このような所見は他の病型のリンパ腫には認められず、マントル細胞リンパ腫の診断に有用であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)